青少年事情と教育を考える 3
「グローバル人材」を育てる(1)

ナビゲーター:中田 孝誠

 最近、「グローバル人材」とよくいわれます。簡単に言うと、「グローバルな社会で活躍できる人材」ということになるでしょう。文部科学省もそのような人材育成や国際的な研究に力を入れています。グローバルハイスクールという指定校制度を設けているのも、そうした取り組みの一つです。

 ただ、グローバル人材の育成といっても、簡単ではありません。
 昨年7月、総務省がグローバル人材育成に関する政策がどの程度効果を挙げているか、評価をしました。その中で、中学生と高校生の英語力について、それぞれ「中学卒業段階で英検3級程度以上が5割」「高校卒業段階で英検準2級程度から2級程度以上が5割」といった目標を設定していましたが、達成は困難だと評価しています。また教師の英語力の向上についても目標どおりにいかず、有効な対策を打ち出すよう文部科学省に求めています。
 もちろん英語ができれば即グローバル人材になる、というわけではありません。

 もう一つの指標である海外への留学生の推移を見ると、例えばアメリカの大学・大学院への留学生数は18780人(2016年度)でした。ピークだった1997年度の47073人から減り続け、この20年間で半分以下になっています。ちなみに最も多いのは中国の35万人です(米国際教育研究所データ)。
 一方、海外への留学生数自体は2015年度の時点で84456人と、前年度より増えています。ただし、全体の7割は3カ月未満の短期留学です(日本学生支援機構調査)。
 留学費用の問題などもあるでしょう。それでも海外を経験する若者が少なくなるというのは、日本の未来にとっては不安なことではないでしょうか。(続く)