自叙伝書写 感動体験集
第51回 全てを失った絶望から自叙伝書写で希望の光が

(大阪府、68歳 主婦)

 実は私の家庭には、もう二度と思い出したくもない、天国から地獄に突き落とされたような体験があるのです。

 私の夫は、結婚前からコツコツと鉄工所で働きながら技術を身に付けていました。
 一代で建築関連の会社を立ち上げ、マイホームも建て、私や3人の子供たちは何の不自由もなく、幸せな生活をしていました。
 夫は、正直で真面目、困っている人がいると助けてあげなくては気が済まないほど気のいい性格で、多くの人から慕われていました。会社も見る見るうちに発展していったのです。

 しかしそんな気の良さが災いし、永年信頼してきた仕事仲間からだまされ、一夜にして家、土地、財産、全てを失い、家財道具も何も持たずに、家族全員追われることになってしまったのです。

 それ以来、夫はショックで人が信じられなくなり、人と接することさえ怖がるようになってしまいました。それでも勤めに出ましたが、職場では人間関係で悩み、家に帰ればいつもブツブツと嘆く姿に、私も耐え切れず、夫を責めてしまうこともありました。

 そんな時、この「自叙伝 心の書写」を書き始めたのです。

 何の前ぶれもなく、一気に地獄の底に突き落とされたような状況の中で、「少しでも子供たちに苦労をさせない生活を取り戻したい!」、そんな切実な願いを込めて書写をさせていただく日々が続きました。

 「お互いを認め合い、助け合って生きる」
 自叙伝の文鮮明先生のみ言(教え)を毎日書写するうちに、私たち家族を守ろうと必死になって、うまくいかない職場での人間関係にも忍耐しながら、私たちに心配をかけまいと、黙々と働いてくれている夫の気持ちが少しずつ分かるようになりました。
 そして私の心の中から夫を責める気持ちが消えていったのです。

 すると間もなく、夫から「今度、職場が異動になって、うまくいかなかった上司とも離れて別々になった。また、これからも仕事頑張るからな!」と聞かされたのです。

 私は、これも不思議な書写の恩恵かと、うれしくて感謝の思いでいっぱいになりました。今では夫も喜んで毎日一緒に書写をしてくれています。

 何よりも私の心を変えてくれた「自叙伝 心の書写」を、息子や親族に、そして一人でも多くのかたに伝えていきたいと思っています。