『平和の母』から学ぶ13の人生の道しるべ 11

孝情の光が世界を照らす

浅川 勇男

 「平和の母」シリーズ第2弾。自叙伝書写の第一人者、浅川勇男氏による「『平和の母』から学ぶ13の人生の道しるべ」をお届けします。

 子女が父母のために生きることを「孝」といいます。

 自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』を書かれた韓鶴子夫人は、「孝は、人間にとって何よりも重要な実践徳目であり、人生における永遠の柱です」(韓鶴子総裁自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』308ページ)「父母のために自分は何をするか悩み抜き、その道を勇敢に進んでいく人が孝子です」(同307ページ)と言われています。

 孝で生きた娘の物語があります。韓国の古典文学の代表作、「沈清伝」です。

 沈清の母は沈清を生んで7日後にこの世を去ります。盲目の父は毎日、近所の母たちにお乳を頼みました。成長した沈清は、針仕事や家事をして父の世話をしました。父のために生きる孝行だけが生きがいでした。

▲ユニバーサル・バレエ「沈清」より

 ある日、父はお坊さんから「仏様に米三百石を供えれば、目が見えるようになる」と言われ、喜んで約束をしてしまいます。しかし米を買うお金はありません。父の悩みを知った沈清は、米三百石を得ようとします。

 そんなある日、船乗りが難所を越えるために、いけにえの娘を探しているのを知ったのです。

 「海を支配している竜王が、いけにえとなる娘を欲している。身をささげる娘がいれば、何でも望みをかなえてあげる」
 沈清は「お米三百石で、私を連れて行ってください」と頼みました。

 沈清は「父の目を見えるようにしてください」と叫んで、海に飛び込みました。

 竜王は沈清の孝行に感動して、ハスの花に入れて海に浮かべました。ハスの花を見つけた漁師たちは、それを王様にささげます。王様が手を触れた瞬間、花が開いて沈清が現れたのです。王は感動し、沈清と結婚します。

 しかし沈清は、毎日父を思って泣いています。王は父を探すために、国中から盲人を招き宴を開きました。
 ついに父が現れました。そして沈清と再会した瞬間、父の目が開いたのです。そればかりか、集まった盲人たち全ての目が開いたのです。沈清は「王妃」であり、国民の母だったからです。

 沈清は、盲目で悩む人々と家族の苦しみを国母として救ったのです。
 人類の涙をぬぐう「平和の母」韓鶴子夫人は、世界平和のために誕生され、人類の真の母となられました。

 韓鶴子夫人にとって親は、天の父母様、神様です。子女である人類が戦争、貧困、飢餓で苦しむ姿をご覧になる神様の顔は悲しみと苦悩の涙で溢れています。
 その神様の涙を拭おうとされる韓夫人は、孝情に生きる現代の沈清です。全人類は、真理と真の愛に盲目であり、世界平和の道が見えません。その目を開かせ、平和の道を開く、孝情の光なのです。

 「孝情の光は、韓国から出発してアジアを越え、世界を照らす光として輝いています」(同308ページ)

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