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心のあり方 39
愛の反対は無関心です

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第11弾、『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。
 なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』より)

第十一章 世界が一つになって平和に暮らす

愛の反対は無関心です

 人間は誰しも幸福を求めて生きています。誰もが、自分と家族が幸福になりたいと願っています。それは、あまりにも当然なのですが、それほど願いながら、本当の幸福になれた人が、何人いるのでしょうか。

 あなたのお父さん、お母さん、おじいさん、叔母さん、幸福で満たされていましたか。先祖の皆さんはこの世で幸福だったのでしょうか。幸福を切ないほど願っているあなたは、今、幸福ですか? これから、もっと、もっと、幸福になれる自信がありますか。

 文鮮明(ムン ソンミョン)先生は、少年時代に人の幸福を真剣に追求しました。

 「私は人々の流れる涙をぬぐい、心の底に積もった悲しみを吹き払う人になりたかったのです。……人々に幸福をもたらす者になろうという心だけは固まっていきました」(自叙伝58ページ)

 そして、もう一つ悟られたのは、自分と家族だけの幸福を求めても、真の幸福にはなれない、ということだったのです。

 「物心がついて以来、今に至るまでの私の人生のテーマはただ一つ、世界が一つになって平和に暮らすことです。……ただひたすらその仕事をする時、私は幸福でした」(自叙伝16ページ)

 「『私さえ幸せに暮らせばよい、私の家庭さえ守ればよい』という言葉は、私の辞書にはありません」(自叙伝229ページ)

 人類が幸せにならないと、私も幸せになれない。なぜでしょうか? 人は人類という絆(きずな)で結ばれているからです。人類が犬や猫などの動物たちと根本的に異なるのは、人類が全て幸福にならない限り、自分自身も幸福になれないということなのです。

 テレビで、アフリカの内乱や貧困で餓死する子供の姿を見れば、心を痛めます。何かをしてあげたくなります。人類は家族なのです。人間には人類愛という尊い本性があります。人種や民族が違っていても、誰かが苦しみ悲しめば、自分の心に伝わってきます。だからこそ、人類は神聖な存在なのです。犬猫のように(失礼かもしれませんが……)食べていても満足しないのです。アメリカの黒猫が白犬に噛(か)まれても、日本の秋田犬が、心を痛めることはありません。忠犬ハチ公でも、そこまでは及びません。黒猫解放運動など始めないのです。

 「四方の壁から嘆きの声が聞こえるとき、私一人の幸福はありえない」という詩を聞いたことがあります。

 南側の壁から、飢えた子供の叫びが聞こえ、北側の壁から、戦争で親を失った子供たちの嘆きの声が聞こえ、西側の壁から、貧困で餓死する老人たちの最後のあがきが聞こえ、東側の壁から、人種差別で苦しみにあえぐ女性たちの悲鳴が聞こえるならば、私の心は痛んで幸福になれないのです。

 もし、他の誰が苦しもうと幸福になれるなら、人間とは、なんと無慈悲な存在でしょうか。かつて、マザー・テレサが日本に来たことがあります。神様の啓示を受け、インドのカルカッタで、身寄りがなく、病気で苦しみ、路傍で死を待つ老人や孤児たちに救いの手を差し伸べました。

 そのマザーが経済繁栄のまっただ中にあった日本に来たことがありました。インタビューした記者にマザーは、「あなたは愛の反対はなんだと思いますか?」と質問したそうです。

 記者は答えられませんでした。マザーはこう言いました。「愛の反対は無関心ですよ……」。

 貧困で餓死する人たちに無関心で、自分たちの豊かさに酔いしれている日本は、むしろ、「愛のない貧しい国ですよ」と言いたかったのかもしれません。

 文鮮明先生は飢餓問題の解決こそが世界平和のための最重要課題だと考えておられました。

 「今も私たちが生きている世界では、一日だけで四万人が飢えて死んでいっているのです。自分のことではない、自分の子供のことではないと知らないふりをしていてはいけません」(自叙伝317ページ)

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【み言訓読タイム⑪】
*自叙伝「平和を愛する世界人」より

 私は理念と宗教の違いゆえに相手を憎み、互いに敵となった国どうしの間に、平和の橋を架ける仕事に生涯を捧げました。
 イスラーム(イスラム教)とキリスト教が融和するように交流の場を設けたり、イラクをめぐって対立する米ソの意見を調整したり、北朝鮮と韓国の和解に尽力したりしました。名誉や金欲しさでしたのではありません。物心がついて以来、今に至るまでの私の人生のテーマはただ一つ、世界が一つになって平和に暮らすことです。他のことは眼中にありません。昼夜を問わず平和のために生きることは容易ではありませんが、ただひたすらその仕事をする時、私は幸福でした。(自叙伝16ページ)

 私の願いは、世の中を幾重にも囲んできた塀と垣根をきれいさっぱり壊して、一つになる世の中をつくることです。宗教の塀を壊し、人種の垣根を取っ払い、富む者と貧しい者の格差を埋めた後、太古に神様がつくられた平和な世の中を復元するのです。飢えた人もなく涙を流す人もない世の中ということです。(自叙伝19ページ)

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 次回は、「世界平和のツボは朝鮮半島」をお届けします。


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