夫婦愛を育む 2
「夫をあるがまま受け入れる」って、夫の不倫も受け入れるのですか?

ナビゲーター:橘 幸世

 愛するということは許し続けること
 「相手をありのまま受け入れる」。言い換えると、「“否定しない”ことが大事だ」と、子供との関わり方や、認知症・強迫性障害等のかたへの対応法など、いろいろな現場で語られています。
 夫婦関係も同様で、セミナーで女性たちにこの点をお話しすると、「では、夫の不倫も受け入れるのですか?」とよく聞かれます。
 それに対して、「不倫という行為自体を受け入れるのではなく、それをしてしまう弱さを持ったご主人を受け入れましょう」とお答えしています。

 三浦綾子さんの小説『羊が丘』で、親の反対を押し切って結婚しようとする娘に対し、父親が「お前は彼を愛し続けることができるのか? 愛するということは許し続けるということだ」と言った言葉がとても印象に残りました。
 弱さや欠点を持った者同士が共に暮らすという時、「受け入れる」という行為にはしばしば「許す」ことが伴うのかもしれません。