コラム・週刊Blessed Life 102
ドローンが武器化されている!

新海 一朗(コラムニスト)

 サウジアラビア最大の石油企業「サウジアラムコ」の2カ所の設備が攻撃を受けて炎上した事件は、記憶に新しいところです。2019913日の出来事でした。

 サウジアラビアはこの攻撃で一時的に原油生産能力を50%落としました。世界全体の供給から見れば5%に当たります。3兆3千億円に上ると試算された損失額を見ても、大変な被害です。

 犯行声明を出したのは、イエメンの武装勢力「フーシ派」(イランのシーア派につながっている)で、サウジと戦闘中のグループです。攻撃は、18機のドローンと7発の巡航ミサイルで行われました。

 注目すべきは、18機のドローンです。ドローンが強力な武器として軍事的に使われたわけです。
 「ドローンによる攻撃」という報道は、世間に衝撃を与えました。巡航ミサイルは、1発当たり数千万円から億単位の価格であるのに対して、ドローンは1機当たり数十万円から数百万円で、コストパフォーマンスの良さから入手が非常に容易です。

 長距離型の自爆ドローンは、武装勢力やテロ組織に需要があります。ドローンは今後の戦争を一変させる極めて重要な兵器と見られています。
 攻撃型ドローンは無人ですから、仮に爆撃されても人的被害はありません。遠く離れた安全な基地から遠隔操作すればよいだけです。交代制で操縦すれば、長時間の運用も可能です。攻撃型のドローンを使用する戦争では、「攻撃側が死なない戦争」となり、そういう戦争の時代になるというわけです。

 「攻撃側が死なない戦争」というのは魅力的で、アメリカ、イギリス、ロシア、中国などの主要国は、攻撃型ドローンの研究開発に力を注いでいます。
 攻撃型ドローンという次世代兵器が空中を飛び交う時代になるのか。戦場においても、街中においても、ドローンの威力は、ある日、突然現実のものとなるという恐怖感を持って暮らすのは御免被ります。

 しかし、ドローンを使ったテロが起きないという保証はどこにもありません。東京五輪が開催される日本も無関係ではいられません。
 例えば、どんな所で、どんなふうにドローンが使用されるのかを考えてみると、①地方の各種イベントへの攻撃 ②交通システムを狙った攻撃 ③電力システムへの攻撃 ④ドローンによる開会式、閉会式の妨害攻撃、などが思い浮かびます。

 日本では、規制法はできましたが、防御策がありません。日本では、テロに備えるのは、自衛隊ではなく、警察の任務です。
 警察はドローンを使ったテロ対策を研究しており、ドローン捕獲用のドローン(ドローンをつかまえるドローン)がすでに導入されています。妨害電波を出す「ジャミングガン」(テロリストに遠隔操作ができないようにさせる装置)の導入も決まっています。最近は、警察への「ドローン飛行情報」はひっきりなしです。

 ドローンで街や自然の絶景を撮るというような平和な利用法を楽しむだけなら何の問題もありません。しかし、「便利なもの」というのは、善用だけではなく、必ず「悪用」が付きまといます。
 最後は、人間そのものが「善に生きる」ことを目指す以外にないのです。