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心のあり方 19
心を無にして聞く

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第11弾、『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。
 なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』より)

第五章 心を尽くして人の話を聞いてあげる

心を無にして聞く

 第二は、「心を無にして聞く」ということです。

 家の中が家具調度品で雑然としていたら、お客様を入れ、迎えるスペースがありません。玄関で帰ってもらうしかありません。家具調度品どころか「ごみ屋敷」もあります。同じように、心が何かで詰まっている人も、人を心の家に入れることができません。何が雑然と詰まっているのでしょうか。

 それは、思い込みと決めつけ、猜疑(さいぎ)心と我欲などです。それらが、心の家に散乱して、人が入り込む余地がないのです。その上、家屋を警備するように、心を要塞化している人もいます。そして、人の話を聞く前から、反撃する態勢をとっています。自己防衛に徹しています。相手の話を聞きながら、反撃の言葉の銃弾を込めています。

 「相手はそんなこと言っているが、私への嫌味ではないか。許せない、反論をしてやろう」。

 「あんなことを言っているが、全く身に覚えのないことだ。相手の思い込みと決めつけにすぎない。一言、言い返してやらなければならない」。

 「心を無にして聞く」というのは、相手の話に全身全霊で耳を傾けることです。そうして、相手の心を感じ取るために聞くのです。真心を込めて、耳ではなく、心で聞くことなのです。心の家の応接間を広くして、人をおもてなしすることなのです。

 二人の女性経営者がいました。二人とも実力者で、いわゆるやり手です。それぞれの経営する会社は発展しています。二人とも、人づきあいが良く、話もよく聞きます。お客様の信頼をかちえています。ところが、A子さんの会社はある程度までしか発展しません。ところが、B子さんの会社は発展し続けています。その違いは何か? それを知るために、二人にそれぞれインタビューした記者がいました。

 まず、A子さんに喫茶店で話を聞きました。実に話をよく聞き、うなずいてくれます。記者は、自分の本音を吐露してみました。

 「私は清く、正しく生きてみたいと思っています」と。

 A子さんはうなずきながら答えました。

 「えーそうなんだ。でも世の中そんなに甘くないよね」。

 と取り合わなかったそうです。記者はとても傷つきました。

 同じ質問をB子さんにもしてみました。B子さんは、「本当にそうだよね、私もそう生きたいよ……」と、目に涙をにじませながら言ったそうです。記者も思わず涙が出そうになったといいます。B子さんが共感してくれたからです。

 その時、記者はB子さんの会社のほうが発展する理由が分かったのです。A子さんは、営業のために人の話を、耳で聞いていたのです。しかし、B子さんは、心で聞いていたのです。

 B子さんは、心を尽くして人の話を聞いていたので、多くの人から信頼され、慕われていたのです。それが、事業の発展につながったのです。

 この話は私たちの家庭内にも当てはまります。あなたは、夫の話を、妻の話を、子供の話を、嫁の話を、姑の話を心で聞いていますか? 耳で聞いていますか?

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 次回は、「忍耐強く根気よく聞く」をお届けします。


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