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心のあり方 16
笑顔で頭を下げる

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第11弾、『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。
 なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』より)

第四章 愛する心があれば誰でも心を開く

笑顔で頭を下げる

 第三は、笑顔で頭を下げて人と接することです。笑顔は人の心を開かせます。垣根を取り除くのです。謙遜に頭を下げれば、誰でも、心を開きます。

 文鮮明先生は笑顔の効果について語られています。

 「笑顔で気分の良い姿は、みな見つめます。気分の悪い表情をするのは悪です。ですから、向き合う時には、必ず笑顔で頭を下げなければなりません。人間は、いつでも笑顔で話をしたいと思っています。口を開けば歌を歌う、そのような気分をもった人に、悪人はいません」(『文鮮明先生み言集 真の愛の生活信条・愛天愛人愛国』光言社 58ページ)

 「結婚して夫婦で暮らすとき、夫がどこかに行って帰ってくるときも、気分の良い顔で、喜びに満ちた笑顔で現れる、そのような夫を慕うのです。どこかに行ってきて、不機嫌な顔をしているのが良いですか。良くないというのです。ですから、心の世界の心情というものは、いつでも和合できるので、陰がないというのです。いつでも明るく、いつでもうれしく、いつでも満足できる美をもって現れることを、男性も女性も願うのです」(同 55~56ページ)

 依頼者と葛藤の末、愛する心で、(相手の)心を開かせた介護ヘルパーの方がいます。74歳の方です。この方は、毎日、文鮮明先生のみ言を訓読して書写している婦人です。訓読とは、み言を、声を出して読み、耳で聞くことです。書写とは、その言葉を、紙に書き写すことです。合わせて「訓読書写」と言います。

 ある日、介護センターから介護の依頼が入りました。依頼主は、84歳の男性です。離婚した元校長先生です。とても気難しい性格の人でした。そのため二人の子供も寄りつかなかったのです。

 あまりにも身勝手な老人なので、9人のヘルパーが三日で辞めました。行ってみると、まさしくそのとおりでした。老人は体が動かない分、暴言で人を傷つけるのです。「金を払っているのだからめいっぱい働け」、「休むな、少しでも休憩するなら金返せ」、「物を置くときは一回で覚えろ」などと、次から次へとひどい言葉を浴びせてきます。普段、我慢強い婦人も、あまりのひどさに耐えきれず、三日目には「やめようかな」と思ったほどです。ところが、毎日、訓読書写していたみ言(ことば)が心に湧き上がってきたのです。

 「私を憎む者をひたむきに愛そう」「全世界の人類がすべて自分の兄弟」というみ言でした。これらのみ言が彼女の心に光をともしたのです。

 「この方は校長先生という職業柄なのか、人に頭を下げたことがなくて、いつも命令する立場の人生だったんだな」。そう思うと、かわいそうで涙が込み上げてきました。

 「そうだ、何を言われても、ばかにされても、この方を愛していこう、ただ黙って笑顔で接しよう。この方は、私のお兄さんだと思えばいいではないか……」。

 そう思って介護を続けていったのです。すると、ある日、この老人は信じられない言葉をかけてきたのです。「ありがとう。頼むね。僕もきつい言葉を言って悪かった。来週も来てくれるよね。自分でできることはなるべくするから少し休んでいいよ……」。

 愛する心が気難しい方の心を開くことができたのです。

 誰でも、愛する心があれば、心を開くのです。

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 次回は、「耳で人を愛する」をお届けします。


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