夫婦愛を育む 81
「ま、いっか」

ナビゲーター:橘 幸世

 お盆休みを終えて、子供は関東にまた戻って行きました。ちょっぴりリッチなフルグラやお肉が、手つかずで残っています。
 子供たちが帰省したらあれ食べさせようこれ食べさせようといろいろ買い込みますが、外出したりして、結局毎回たくさん残ります。今回は買うものを抑えたのですが、やはり残りました。

 わが家の夏の定番むね肉料理と今年覚えたグレープフルーツサラダとを、娘が帰る前日から漬け込んで準備万端。暑い中、よく冷えて味のしみ込んだもので喜ばせようと、張り切って食卓に出したところ、その冷たさで娘は何とお腹を壊してしまいました。

 母、撃沈です。
 娘は回復後、律義にその料理を温めて食べていました。
 願ったとおりにいかなくても、終わってみれば楽しかった帰省期間。良しとしましょう。

 もう何年も前から義母に言われていた屋根の修理。増税前にと、ついに工事を依頼しました。

 事前準備として業者さんが雨樋(あまどい)を外しに来たのですが、なんとその日は大雨に! もともと軒先の短い玄関口は、雨の中の出入りに難がありますが、樋を外したことで、屋根から雨が直接洪水のように流れ落ちます。雨樋のありがたさを初めて実感しました。さらにその後予想外の雨続きで、工事を始められません。

 天気ばかりはいかんともし難いので諦めるしかありませんが、雨樋を外すのを工事直前にしてほしかった、と愚痴を言いたくなります。

 人生、思い描いたとおりにならない事が多いです。一喜一憂しても仕方ありません。「ま、しゃーない」「ま、いっか」と受け止めていったら、楽かもしれません。
 自分の思うとおりに事を進めようとすれば、ストレスが溜まり、うまくいかない原因を探して、周りや自分を責めるかもしれないからです。

 何か問題が起こると、あの時こうしていた方が良かったんじゃないか、もっとああしていたら、と秘かに思い悩むこともあるでしょう。かつては私もその一人でした。でも今は、過去の事で後悔し自分を責める人に対して、こう言っています。

 「その時は、それが最善と思ってやってきたんでしょう? あなたなりにその時一生懸命頑張っていたんでしょう? 誰が悪いのでもないですよ」

 さまざまな経験を経て得た知恵で、過去の自分を振り返れば、足りない点や愚かしい点が見えるかもしれません。けれど、成長途上にあるその時なりの精いっぱいの知恵をもって判断し行動していたのです。
 そこから学んだものを貴く思い、自分を良しとしてあげましょう。