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お父さんのまなざし 5
家族会議のすすめ

(『グラフ新天地』456号[2006年6月]より)

 男手ひとつで3人の娘を育てるお父さんの、愛溢れる子育てコラムを毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 「子どもを見守ろう……」そう決心したお父さんのまなざしは、家でも学校でも、真っすぐ子供たちに注がれています。

コラムニスト 徳永 誠

 わが家の子どもたちは、休みの日の計画を立てるのが好きだ。

 春休みを過ごし、新学期を迎えるや、「今度は、ゴールデンウィークの計画を立てようよ」「夏休みの計画を立てようよ」と気が早い。

 わが家は週に一回程度、“家族会議”の時間を持つことにしている。それぞれ学校での出来事を報告し合い、家庭での勉強や遊びの計画を話し合う。家族で一緒に過ごせる時間があれば、何をしようかと皆で意見やアイディアを出し合う。「休みだから、とにかく遊ぼう!」ではなく、「皆で一緒に過ごす時間をどのように使い、いかに有意義なものにするか」というのが、わが家の休日前の議題である。

▲筆者の娘さん(当時13歳)が描いた絵より

 “家族会議”が定着するようになるにつれて、休みの日の話題ばかりでなく、勉強や習い事のスケジュール管理に対する子どもたちの自覚も高まってきたようだ。私自身はといえば、正直なところ、以前は休日のたびに“個人モード”から“家庭モード”への切り替えに少々苦労することもあったが、皆で話し合って計画を立てるというスタイルが日常化すると、“お父さん”の頭も心も柔らかくなり、子どもたちと過ごす時間が待ち遠しくなってきた。

 「計画を立てようよ!」
 子どもたちの声が弾む。“家族会議”の場を設定することで、家庭生活の中に「家族で話し合う」という習慣が身についてきた。自発的に計画を立てるという行為は、お金や時間に対する意識も高め、子どもたちに効率や倹約の観念を芽生えさせたようだ。

 「××のお金はパパが出すよ」
 「パパ、大丈夫? ごめんね。じゃあ、〇〇のお金は私が出すね」

 少しばかりの小遣いでも、全体のためにどう使おうかと子どもなりに考える。子どもたち同士の“割り勘”も定着しつつあるようだ。

 “家族会議”を行うようになって、家庭自体の成長を感じている。子どもたちの生活面での自立心や、ちょっと大げさだけれど、人生に対する主体性も徐々にはぐくまれてきているようだ。

 「パパ! きょうはありがとうね!」
 一つの計画をなし終えた時、子どもたちの声は弾んでいる。素直で充実した響きだ。お父さんにとって、すべての疲れが吹き飛んでしまう瞬間でもある。子どもたちの満足した喜びの声が聞けるのがうれしい。これが、親子が同じ時間を一つの心で過ごせた証しなのだ。

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 次回もお楽しみに!