夫婦愛を育む 71
「これは難しい!」と感じました

ナビゲーター:橘 幸世

 私の講座を聞いた女性たちの反応は、当然のことながら十人十色です。

 「これを知らなかったら、私たち夫婦どうなっていたか分かりません」とうれしい感想を言ってくださる人もいれば、「ああこういう事かと、だんだん分かってきました」と小さな喜びの経験を積み重ねて実践に励む人もいます。

 一方、「じゃあ、あの時は~しておけばよかったということですか!?」と反発を覚えたり、「実践は難しい」と学習自体を途中でやめたりする人もいます。

 以前友人に連れられてセミナーに参加したある女性(男前で実務能力に長けた素敵な人)は、「私、これ無理!」と誘った友人に休憩時間に言っていました。それでも最後まで聞き、その後友人のフォローもあって再受講し夫婦関係を立て直しました。今では愛され上手に変身し、幸せな結婚生活を送っていて、皆に勧める側にいます。

 私の40年来の友人は、私が最初にこの内容を話した時、大分抵抗を覚えたようです。
 つい先日電話で「あの時のこと覚えてる?」と聞かれましたが、何年前の事やら、私は会って話したことすら完全に忘れていました。

 彼女は、「(当時は家庭や家族のことを)全部私が決めていたの。自分が正しいと思っていたから」と言いました。
 夫が一家のリーダーである、夫の判断を尊重する、という原則が受け入れ難かったわけですね。
 「でも、私が決めた事、ことごとくうまくいかなかったんだよねぇ」は、先日初めて聞いた言葉でした。
 うまくいかないなら、別のやり方を試してみるしかありません。講座に参加して一つずつ原則の実践を重ね、夫婦関係の変化を体験し、彼女もまた周りに勧めています。

 新しい考え方や価値観を自分の人生に取り入れるのは決して簡単ではありません。それでも、彼女たちのように一通り聞いてみてもらえたらと思います。
 何かの転機に思い出して、最初の時よりはオープンマインドで見つめ直すことができるようになるかもしれないからです。

 ある自己啓発系セミナーが地元であって、私も興味があり参加した時のことです。
 一人の参加者が、「これはしっかりと引っ張る人がいないとやり通すのが難しい」と言っていました。
 一般的にこういったセミナー参加者の実践率は1桁台だと、随分前に聞いたことがあります。でも、フォローの仕方次第でその実践率・継続率をかなり上げることができるのです。

 私は数人の仲間が集まって学習することを勧めています。一緒に学び、経験をシェアし助け合っていくと、継続しやすいだけでなく、思わぬ相乗効果が生まれます。
 その仲間のお約束事は、相手の言動を否定しないこと、秘密を厳守すること、の二つです。安心して何でも話せる仲間がいたら、人生何と心強いでしょう。もちろん、何でも話せるパートナーは人生の宝です。