愛の知恵袋 61
秋のお見合いパーティー

(APTF『真の家庭』171号[2013年1月]より)

関西心情教育研究所所長 林 信子

女性の高齢化が進むお見合い

 昨年11月4日、私が行っているブライダル企画は、いつもの大阪市内のホテルでお見合いパーティーを開催しました。

 私は体調がすぐれず、ご挨拶だけにうかがうことにしました。メンバー数人の努力で予定の40人が出席決定していました。

 私が心配したのは、この10年間で女性の年齢が少しずつ高くなっていることでした。

 今回は20代の参加者はおられず、30代より40代、50代の方が多かったのです。離婚された方、夫を亡くされた方もおられると思いますが、参加女性の年齢の高さに日本が変わっていく恐ろしさを感じました。少子高齢化社会です。

 私たちの目的は、男女が正式な結婚をするだけではありません。二人の愛の結晶である子供が生まれ、父と母になる。家庭では親子、それも三世代共に暮らすのがいいと思っています。ですから、最初の挨拶は真剣になりました。

 「林でございます。皆さんの名簿を見せて頂きました。46歳を超えられた方が多いのでびっくりしました。今、私から皆さんを見ると、女性の方は20代かなと思える方ばかりです。美人ぞろいなのに、なぜ30代までに結婚なさらなかったのですか? 結婚は何のためにするのでしょう? 神様は天地万物をつくられた後、人間の男と女をつくり、『生めよ、ふえよ、地に満ちよ』と言われました。人間は20代で結婚し、家庭を持ち、親になるものです。

 40代の女性が何人子供を産めるでしょうか。今日がチャンスです。感謝してお相手を決めましょうね。神様が用意して下さったお相手が必ずおられるはずです。相手に子供さんがいらしたならなおいい。妻と母になれるのです。感謝しましょう」

 拍手があって、私はテーブルに戻りました。

11組のカップルが誕生

 司会者の誘導で自己紹介が始まり、1テーブルから5テーブルまで男性から1分間スピーチが行われました。それが終わると昼食。そしてテーブルチェンジで男性たちが動きます。2回ほど動くとフリートークになります。ここから付添いさんの出番です。お互いもう一度話したいと思う人と席を並べてゆっくり話す。付添いさんは後ろに立つか、横に座ります。平均3人以上の人と話をしてみます。付添いさん同士で話し合いもします。

 午後2時半には司会者から、お互いの「この人」と思う名前を希望書に書き入れて提出するようにマイクで案内があります。すぐに5人が提出しました。その後も20分おきくらいに声がかかって、3時過ぎには7組のカップルが誕生。カップルが挨拶のために壇上に上る用意をしている間にも増えて、最終的に11組になりました。ブライダル企画でこの10年間、10組を超えたのは2度目です。

お似合いのカップルたち

 最初に決まったカップルから壇上に上って二人で会場の人にお礼を言います。男性の方から一言ずつ、気持ちを述べるのですが、どのカップルも「まあ! この人!」と思うくらいピッタリの組み合わせでした。どのカップルも喜んで、真剣でした。中には今まで3回参加された小学校の男性の先生もいました。背が高い方で、これまで厳しそうな顔をしていたのですが、今日は満面に幸せが広がったような顔をしていました。お相手の女性はインテリ風の美人で涙を流していました。

 私も心で「良かったですね!」と叫びました。男女共に喜びと感激の表し方が違います。一点を見つめたまま「ありがとうございます」だけの男性。ニコニコ顔のペア。女性のハイヒールを気遣う男性。カップルごとに、「お似合いだな、よくぞ神様はこの二人を出合わせて下さった」と思わざるを得ません。感激であり、感謝でした。幸せな家庭をおつくり下さい。

 私はこの仕事をしてきてほんとうによかったと思っています。遠くは岐阜、富山、奈良、石川、東京から来られた人たち、そしてスタッフの皆さまに感謝します。