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愛と人生の道しるべ 37
相手のために無私になって尽くす

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第1弾、『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。

酒井 正樹・著

(光言社・刊『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』より)

第10章 愛は宇宙からのミラクルパワー

相手のために無私になって尽くす
 それでは「愛する」とは一体どうすることなのでしょうか。子供を持って親になってみると、子供に対して無条件にいとおしいという気持ちが込み上げてきます。そして子供の幸福のためなら、どんなことでもしてあげたいという思いになります。

 しかし、それは子供のやりたいことをそのまま受け入れることではありません。子供のわがままを直すために、心を鬼にして厳しく叱らなければならないときもあります。

 親の子供への愛情を見る中に愛の定義を見つけ出すことができます。つまり、「愛する」とは、相手の幸福のために無私となって尽くすことであり、「好きだから」、「いとおしいから」というような感情の問題ではなく、意志力と責任の問題だということです。

 思春期になって、特定の異性に心が引かれるようになると、不安定な気持ちになります。特に男性は、性的欲求を強く持つようになり、異性への憧れと性欲との葛藤の中で、どうしていいか分からずに悩みます。

 この複雑な感情は、やがて結婚して家庭を持つようになるための前兆であり、大人となるために、人間としての訓練を積みなさいという天の合図とも言えるのではないでしょうか。

 思春期になると、異性に引かれるようになりますが、これは磁石のN極とS極が引き合うように、夫婦となるべき相手を探し求めるための自然の摂理とも言えるでしょう。

 この時の感情は、こちらの女性からあちらの女性へというように移ろいやすいもので、なぜその女性がいいのか、理屈で説明できるようなものではありませんが、家庭環境の中で形づくられた父親像、母親像によるところが大きいように思われます。

 この不安定な思春期を乗り越える鍵となるのは、両親から受け継いできた愛情と両親に見る夫婦愛の世界です。両親のような夫婦になりたいと思っているなら、愛の力によって感情と性欲をコントロールし、相手を大切にしようとします。

 性欲の問題については、父親がもっと性のありのままの姿を、子供に正確に伝えなければならないと思います。男性は性関係を結ぶだけで快感が得られるものと思っていますが、実際には肉体関係を結んだだけでは、それほどの快感は得られません。それは、深い愛情とお互いの努力なしには到達することのできない、もっと精神的なものなのです。

 最も自己本位的な性欲を、愛情という相手のために生きる意志によってコントロールし、その努力を積み重ねることによって、初めてお互いに喜びを感じることができるのです。

 若い青年男女の一部に見られる同棲(どうせい)は、まだ人間としての愛情が未完成の時であるため、相手への責任や肉体への配慮ができず、性交渉も未熟なものに終わってしまいます。

 性は心と体のバランスが取れ、熟するなら素晴らしく豊かなものとなるのに、未熟なうちにもぎ取ってしまうと、むしろ愛や人間そのものが信じられなくなるという、恐ろしい結果をもたらしてしまうのです。(続く)

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 次回は、「家庭は愛情を完成させるための道場」をお届けします。


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