ほぼ5分で読める統一運動 96
喜びと栄光の神様ではなく悲しみと絶望の恨の神様

稲森 一郎

 ホーリーマザー・ハン、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁は、自叙伝の中でこう述べています。

 「神様は御自分の子女として創造した人間に、何の見返りを求めることもなく自然万物をお与えになり、共に平和な生活を送ることを望まれました。もし、ただ一つ願いがあったとすれば、それは神様が私たちの父母になられることでした。しかし人間始祖の堕落により、神様は最も愛した御自分の子女も、御自分の万物も、みな失ってしまったのです。
 韓国ではよく、『子を失ったら胸に埋める』と言います。ある日突然、自分の命よりも大切な、愛する子供を失ってしまったら、親としてそれ以上の苦痛はないでしょう。神様もまた、子女である人類を失い、まるで気が触れて髪を振り乱したかのような姿で、歴史をかき分けてこられました。喜びと栄光の神様ではなく、悲しみと絶望、恨(ハン/願いがかなわなかったことに対する無念な思い)の神様となられたのです」(自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』、34ページ)

 「喜びと栄光の神様ではなく悲しみと絶望の神様」となられたと話される韓総裁の言い知れない思いは、神様の深い悲しみと無念の思いにそのまま重なっているのです。そして夫である文鮮明(ムン・ソンミョン)師の思いも全く同じです。

 人類の堕落以来、神様は悲しみの神様となられたというご夫妻の「神様の真のお姿」の発見であり、これが「神様の恨」(人類の堕落についての言い知れない無念の思い)として表現される神様の本当の姿でした。
 このような深い悲しみの神という教説は、聞いたことのない話であり、神学者も牧師も神について文師夫妻のように悲しみを強調することはあまりなかったことです。

 統一運動は、神様の悲しみを解放し、神様の恨を解いて差し上げるという根本的な動機に突き動かされて始まったと言えるでしょう。
 堕落した人類の姿は、人と人とが殺し合う絶え間ない戦争の悲劇であり、歪んだ欲望の不倫地獄であり、家庭の中で夫婦、親子、兄弟が一つになれず、葛藤、対立する姿であり、地球上どこでも、人間同士が傷つけ合う様は、神様に言い表すことのできない悲しみを与えているのです。

 現在の世界の姿を見ると、父母として、親としておられる神様を知らない多くの人々が、無神論の害毒に流され、唯物論の弊害に飲み込まれて、人間の理性のみを高く掲げ、物質的幸福観、金銭万能主義の追求により、問題を解決できると考えていることです。

 特に、唯物論国家である共産主義政権の中国や北朝鮮、共産主義は捨てたものの、相変わらず全体主義国家として振舞うロシア、これらの国が好戦的であり、ロシアによるウクライナ戦争の終わりも見えず、台湾奪取の機会を窺う中国の野心もほぼむき出しのまま、さらに、北朝鮮の核による韓国への威嚇はその頻度を上げています。
 こういった状況に対して、アメリカのトランプ大統領が危機感を募らせて、対抗措置をあれこれと繰り広げているのが現状です。

 「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいまして、人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」(ヨハネの黙示録 第2134節)と聖書にあります。

 先のものがすでに過ぎ去った「先天時代」から「後天時代」の時、すなわち、「天一国の時代」の建設を、トランプが確かなものにするよう祈ります!