2026.04.18 22:00

ほぼ5分で読める統一運動 94
冷戦から新冷戦、そして米中の最後の戦いへ
稲森 一郎
韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が自叙伝の中で述べた以下の言葉は、1960年を中心として世界に大きな変化が生まれたことを証言しています。
「私が聖婚式を挙げた1960年を分水嶺(ぶんすいれい)として、国内外に大きな変化が続けて起こりました。国内では民主主義への渇望が噴出し、自由党政権が倒れました。国外でも、アメリカでジョン・F・ケネディが大統領に当選し、新しい時代への扉を開きました。
しかし、冷戦でできた溝はさらに深まり、東西の対立は深刻になるばかりでした。ソ連の支配を受けている東欧の共産主義国家でも自由化の波が起こりましたが、まだ時至らず、数多くの犠牲者を出しながら鎮圧されてしまいました。
人々は切実に願いました。
『このすべての混乱を平和へと変えてくれる、真の導き手を送ってください』
歴史の巨大な歯車が回るとともに、統一教会にも大きな変化が起こりました。それまで国中が統一教会に反対し、特にキリスト教があらゆる批判を浴びせかけていましたが、真の母を迎えることで、世界宗教へと跳躍する土台ができたのです」(自叙伝「人類の涙をぬぐう平和の母』、120ページ)
天が遣わされた新郎新婦として、文鮮明(ムン・ソンミョン)師と韓鶴子女史の聖婚式が行われた1960年を境に、人類は東西対立の冷戦において、民主陣営と共産陣営の勢力均衡に変化が生まれていった推移を見ることができます。
すなわち、東欧の共産主義国家で自由化の波が起こり、ソ連自体も1991年12月に崩壊するという共産主義の衰退劇が起きたのを目撃したということです。
一方、統一教会は世界宗教へと跳躍する土台を着々と築き上げていきました。
そのような中で、文化大革命終了後の中国では、鄧小平の主導のもと、1978年に始まった本格的な改革開放政策(経済近代化政策)を打ち出し、経済特区の設置、市場経済の導入などにより、2000年代初頭に至ると、中国経済は急激な成長を遂げました。
米中の新冷戦へと世界情勢が対立構図を変えていく様子を見つめる各国は、世界覇権へのしたたかな野心によって一帯一路構想の推進、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設などを世界に示す中国に引き込まれていくことになります。
特に、アフリカ、中南米、東南アジア、旧共産圏などの開発途上国家を取り込んでいく中国は、米国の覇権に挑戦する姿勢をあらわにしていきます。
米ドルの基軸通貨体制に代わるBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの主要新興5カ国で構成される枠組み)国家群を中心とする新通貨を流通させ、米国中心で動く世界経済のシステムを打倒する戦略の実施に乗り出します。
このような中国を、トランプ米大統領は決して許すことができません。
石油の輸出入において、特に中国と関係の深いベネズエラとイランに対してトランプ大統領の怒りが爆発し、あからさまな攻撃と制裁が始まりました。
この米国の戦争は、中国を助ける反米国家などは不要であるという中国包囲戦略の戦争と見ることができます。
米国と中国の最後の戦いがすでに始まったと見ても構わないでしょう。
共産党政権の終焉(しゅうえん)を中国は迎えなければならないというのが米国の本音です。台湾の奪取も許さないでしょう。
米国に代わって中国が世界覇権を握っても人類は幸福になることなどできない、共産主義によって世界が自由で平和な理想郷になることは不可能であるということです。