世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

日仏首脳会談~マクロン、苦悩解消と希望への道

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、330日から45日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 防衛省、反撃能力を備えた長射程ミサイルを配備(331日)。マクロン仏大統領が訪日(31日)。日・インドネシア首脳会談(31日)。日仏首脳会議、元赤坂の迎賓館で開催(41日)。日本、国家情報局法案の審議入り(1日)。米国、アルテミス計画(国際有人月探査プロジェクト)打ち上げ成功(1日)。米国、司法長官と陸軍参謀総長が辞任(2日)。米2機、イラン攻撃で墜落~操縦士は後救出(3日)、などです。

 フランスのマクロン大統領が331日に訪日しました。4月1日の首脳会談のためです。フランスは今年、G7(先進7カ国)の議長国であり、6月に首脳会議が開催される予定ですが、今、大きな困難に直面しているのです。

 それは、ウクライナ支援やイラン情勢を巡るトランプ大統領との歩調の「ずれ」です。これは欧州全体の問題でもあります。

 原油をはじめとするエネルギー関連物資の輸送船が通過するホルムズ海峡が事実上「封鎖」危機にある中で、トランプ米大統領は利害関係にある国々が艦船を派遣して「開放」すべきであると強く主張しました。

 ところが、NATO(北大西洋条約機構)諸国のほとんどは派遣に応じず、「イラン戦争はわれわれの戦争ではない」(メルツ独首相)と言いだす指導者まで現れたのです。
 トランプ氏は激怒。NATOからの脱退を検討するとまで言いだしました。

 このような情勢下でのマクロン氏の訪日でした。マクロン氏にとって、トランプ氏と良好な関係を持っている高市首相と連携する意味は大きいのです。

 3月19日に高市首相が訪米し、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談しました。日本はホルムズ海峡への艦船の即時派遣に応じなかったにもかかわらず、トランプ氏に好意的に迎えられたことは、欧州では驚きを持って受け止められているのです。

 フランス、欧州全体にとって、中東危機への対応で日本との連携を打ち出せることができれば、厳しい現下の対米関係を転換できる可能性が見えてくるのです。 日本の立ち位置が極めて重要になってきているということなのです。

 会談前、フランス大統領府筋は「日仏首脳は共に成果を重視し、国の主権に沿って政策を進める性格。率直で建設的な会談になるだろう」と期待を示していました。
 首脳会談は41日、 元赤坂の迎賓館で行われ、「共同声明」が発表されました。ポイントは以下の内容です。

*ホルムズ海峡の安全な航行を確保するための適切な取り組みに貢献する用意があると表明

*重要鉱物の輸出規制への深刻な懸念を共有し、サプライチェーン(供給網)の強靭(きょうじん)化に向けた戦略的な協力を確認

*力や威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対

*高速炉開発や核燃料サイクルの推進など原子力分野での協力強化

AI(人工知能)に関するハイレベル対話の立ち上げで一致

6月の仏東部エビアンでのサミットの成功への協力

 などです。

 さらに特筆すべきことがあります。
 昨年、マクロン氏は習近平主席のG7首脳会議への招待を検討していると報じられたのですが、仏大統領府は「習氏はG7の招待客にはならない」と明言したのです。

 日本は、中国がG7の価値観を共有していないとして仏側に慎重な対応を要請していましたが、それがかなったのです。

 高市首相はこの機会を重要なものと捉えていました。
 中国がフランスへの接近を図る中、同じG7の一員である日仏の結束を再確認するためです。そして重要鉱物の輸出規制を念頭においた経済安全保障分野での連携、自由や民主主義など基本的価値観を共有する両国の関係を強調して世界にアピールするのです。

 会談後には、アニメ好きのマクロン氏とそろって「ドラゴンボール」の主人公・孫悟空らの必殺技「かめはめ波」のポーズを取り、「蜜月ぶり」を示しました。
 中国にとっては、非常に痛手となったことでしょう。

 デンマーク自治領グリーンランドの領有権をトランプ氏が主張したことや、イラン攻撃を巡っても欧州と米国の関係がぐらついている状況を絶好の機会と見て、中国は間隙(かんげき)を縫うように欧州への外交攻勢を強めています。

 とりわけ、習近平氏は今年のG7議長国でもあるフランスを重視していました。
 昨年(2025年)12月、習氏はマクロン氏と北京で首脳会談を行いましたが、習氏は、マクロン氏の四川省成都への視察に同行するなどして歓待したのです。

 マクロン氏自身も中国との安定的な関係構築に意欲的とされていて、G7首脳会議に中国を招待する案も一時、検討していたことは確かなのです。

 高市政権は重要な役割を果たしました。今後の展開にも注目していきましょう。



★おすすめ関連動画★

国際勝共連合 街頭演説
(国際勝共連合 公式チャンネルより)
「辺野古沖転覆事故の闇を暴く」
2026年 4月4日 大塚駅


ザ・インタビュー 第29回

【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その1)「『勝共』~神を否定する共産主義に打ち勝つために】

U-ONE TVアプリで視聴する


ザ・インタビュー 第30回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その2)「神と共に生きる共同体理想の実現を目指して」】

U-ONE TVアプリで視聴する


ザ・インタビュー 第31回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その3)「神は私と共に生きて今ここにいらっしゃる」】

U-ONE TVアプリで視聴する

---

 U-ONE TVの動画を見るにはU-ONE TVアプリが必要です!
 無料ですので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードはコチラから

Android

iOS

ダウンロード方法について

▲画像をタッチすると視聴できます