魚谷さんの宗教講座 6
仏教編⑥
「一切皆苦」と「四諦」

ナビゲーター:魚谷 俊輔(UPF-Japan事務総長)

 さて、仏教の基本的な世の中に対する認識とは何であるかというと、世の中は苦に満ちているということで、「一切皆苦」(いっさいかいく)ということが世界認識の出発になります。

 よく「四苦八苦」といいますね。これは仏教の用語で、まず基本的な「四苦」があります。これは、生きる苦しみ、老いる苦しみ、病の苦しみ、死の苦しみのことをいいます。

 さらに、「愛別離苦」(あいべつりく)は愛する者と別れる苦しみ、「怨憎会苦」(おんぞうえく)は憎んでいる対象と出遭(あ)ってしまう苦しみ、「求不得苦」(ぐふとっく)は欲しいものを得られない苦しみ、「五蘊盛苦」(ごうんじょうく)は心身機能から盛んに起こる苦しみ、すなわち煩悩が心から湧いてくることによる苦しみのことです。

 これらを合わせて「四苦八苦」ということで、人生は苦悩に満ちているということが教えの出発点になっているのです。

 それに基づいて、仏教の基本認識である「四諦」(したい)というものが出てきます。

 一つ目が「苦諦」(くたい)ですが、これは問題提起に当たります。この世界は苦しみの世界なんだということです。
 「四苦八苦」といわれるように、世の中は苦しみに満ちているということです。

 その次に「集諦」(じったい)というものがあり、それでは苦しみの原因は何かというと、それは執着することであり、煩悩があるから苦しむんだということになります。これが集諦の段階です。

 その次が「滅諦」(めったい)で、苦しみの原因が煩悩にあるのだから、その煩悩を滅すれば、苦は断たれるんだということです。このようにして解決方法を示すわけです。

 それではその煩悩を断つにはどうすればよいかといえば、これが「道諦」(どうたい)ということで結論になります。
 それは実践が必要だということです。
 正しい修行をして悟りに至ることによって、苦から解放されるということです。

 この流れは、極めて合理的としかいいようがありません。

(次回に続く)