2026.02.17 17:00

世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
米下院、「台湾保護法案」を可決
その法案の威力とは
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、2月9日から15日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
米下院、「台湾保護法案」を可決(2月9日)。香港裁判所、蘋果日報創業者・黎智英氏に禁固20年の量刑を言い渡す(9日)。水産庁、中国漁船を拿捕(だほ)、船長逮捕(13日)。ドイツ・ミュンヘンで米中外相会談(13日)。ミュンヘンで日米外相会談(14日)、などです。
ここ数年、習近平主席は、台湾統一において武力行使を排除しないと繰り返しています。
そのような情勢下で、極めて重要な法案審議が米国で行われているのです。中国にとっては「致命的」打撃を受ける内容を含んでいます。その法案名は「台湾保護法案」です。
米下院は2月9日、「台湾保護法案」を賛成395、反対2の圧倒的多数で可決しました。
この法案には、台湾の人々の安全や、社会および経済制度が中国の行動によって脅かされた場合、米国は実施可能な最大限の範囲で、中国を20カ国・地域(G20)や国際決済銀行(BIS)、金融安定理事会(FSB)といった国際金融の枠組み・組織から排除すべきだと明記されているのです。
法案の提出者は、共和党のフランク・ルーカス下院議員。ルーカス氏は投票前、法案は「中国が台湾との衝突を図れば、中国は代償を負う覚悟をしなければならない」というメッセージを明確に伝えるものだと説明しています。
中国が南シナ海での侵略行為を続けている今、米国は侵略行為を断固として容認しない決意を示すべきであり、さらに台湾が侵攻された場合の米国の対応は強力であるべきだというのです。国際機関からの中国排除が制裁の内容なのです。
今後法案は、上院に送られます。上院での可決後、大統領の署名を経て成立することになります。
法案の正式名称は、「Pressure Regulatory Organizations To End Chinese Threats to Taiwan Act(中国による台湾への脅威を終結させるための規制組織への圧力法案)」。その頭文字をとって略称「PROTECT(保護)」とするとしており、親台派議員たちの工夫が凝らされているのです。
これが、強力な制裁法案である理由を説明します。
米大統領により、制裁発動が米財務当局に要請されれば、結果として中国は「手も足も出ない」状況に追い込まれることになります。
習近平氏は、いまだに武力による台湾統一を諦めていませんが、この制裁法案を目の前にしたら諦めるしかない、少なくとも当分先送りするしか道がなくなるでしょう。
鍵を握っているのは米国の経済力です。ドルが国際基軸通貨であるという現実です。現状は、中国といえどもそのドルの輪の中にとどまらざるを得ません。
G20、BIS、FSBから中国を締め出すように指示するというのは、中国がドルでの国際取引ができなくなるということなのです。中国は、人民元の国際化を急いでいますが、世界はほとんど、ドル決済で動いているのです。
米国は特別な存在です。特別というのは「ドル」を持っているからなのです。世界中のありとあらゆる主な貿易取引や投資はドルに基づいて決済されているのです。
人民元取引は、ロシアや北朝鮮、イランなどとの間ではなされていますが、世界経済のごく一部でしかないのです。
中国経済は苦境にあります。この法案の成立は、中国の今後の動向に決定的な影響を与えることになるでしょう。
今後の推移を見ていきたいと思います。
★おすすめ関連動画★
国際勝共連合 街頭演説
「建国記念の日によせて~希望の保守革命完遂を」
ザ・インタビュー 第29回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その1)「『勝共』~神を否定する共産主義に打ち勝つために】
ザ・インタビュー 第30回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その2)「神と共に生きる共同体理想の実現を目指して」】
ザ・インタビュー 第31回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その3)「神は私と共に生きて今ここにいらっしゃる」】
---
U-ONE TVの動画を見るにはU-ONE TVアプリが必要です!
無料ですので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
ダウンロードはコチラから