2026.01.21 17:00

共産主義の新しいカタチ 93
現代社会に忍び寄る“暴力によらざる革命”、「文化マルクス主義」とは一体何なのか?
国際勝共連合の機関紙『思想新聞』連載の「文化マルクス主義の群像〜共産主義の新しいカタチ〜」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。(一部、編集部による加筆・修正あり)
「問いの体系」と「認識論的切断」
ルイ・アルチュセール(中)①
アルチュセールはマルクス主義哲学を「認識論的切断」という概念で捉え直すことで「構造主義的マルクス主義」という「ポストモダンなマルクス」の可能性を引き出しました。
プロブレマティックとは「思考の図式」
マルクス史家のマクレランは「『認識論的切断』という概念は、フランスの科学哲学者、ガストン・バシュラールから借りたものであるが、それは、時を同じくしてトーマス・クーンが詳しく展開していた科学的パラダイムという観念にほぼ相当するものである。アルチュセールによれば、マルクスの初期の著作と後期の著作は、二つの別個の問題設定を含んでいる。問題設定とは、『それに固有の主題の客観的な内的参照体系、与えられる答えを支配している問いの体系』である」(『アフター・マルクス』)と述べます。

確かに科学哲学者バシュラールの「認識論的切断」は、クーンが主張した概念「科学的パラダイム」「パラダイム転換」に相当します。ここでいう「問題設定」=「問いの構造」(プロブレマティック)とは、「それに固有の主題の客観的な内的参照体系、与えられる答えを支配している問いの体系」とアルチュセールは定義づけています。

このアルチュセール自身の記述を踏まえ、今村仁司は「ひらたく言えば、どのような思想もその内部に自覚されざる『思考の図式』を抱えており、その図式は思想家の思考に対して深いところから(つまり知らぬ間に)方向を与えるばかりでなく、用語ないし言葉の意味までを徹底的に方向づけ規定する。このような思考の図式を『問いの構造』と呼ぶのである」(『アルチュセール全哲学』)と解説しています。
こうしてアルチュセールは、「マルクスは、歴史理論(史的唯物論)を築くことによって、ただ一つの同じ動きの中で、それ以前に彼が持っていたイデオロギー的な哲学的意識と断絶し、同時に新しい哲学(弁証法的唯物論)を築いた」(『マルクスのために』)と見立てることで、「(若い)ヒューマニズム」というイデオロギーを克服したマルクスが、「マルクス主義者」となりえた境地を『資本論』に見たのです。
(続く)
★「思想新聞」2026年1月15日号より★
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