ほぼ5分で読める統一運動 79
朝鮮半島で激突する有神論と無神論

稲森 一郎

 1975年67日、韓国、ソウルの汝矣(ヨイド)島広場で、「救国世界大会」が開催されました。
 この大会は、1975年のインドシナ半島の共産化(北ベトナムによる南ベトナム併合の共産統一)で、アジアへの共産主義侵略の脅威が高まる中、同年67日、北朝鮮と対峙(たいじ)する韓国のソウルで開かれたものです。

 100万の大群衆を前に、文鮮明(ムン・ソンミョン)師は共産主義から韓国を守ることを宣言します。

 「『神はいない』とする真っ赤なうその思想は、神様が厳然として存在されることを示し得る真の思想だけが滅ぼすことができるのであり、偽りの上に立った共産主義思想は、その偽りが白日のもとに暴露されるとき、完全に砕かれてしまうのです。これが、私たち統一教会員とすべての宗教人と、全世界の人々が果たすべき至上課題です。そして、これが共産主義の根を絶やし、共産主義に完全に勝利する方法なのです」(天一国経典『平和経』、1154ページ)

 文師はさらに訴えます。

 「この二つの世界の力(神の力とサタンの力)の対決が、今、韓国において熾烈(しれつ)に起きています。韓国は、世界の相反(あいはん)する二つの理念が衝突しようとする決戦の場なのです。韓国の自由守護は、韓国だけのためではなく、自由民主陣営の永遠の自由を守護するものであり、さらには、神様に勝利をもたらすものです。これが正に、自由を守護するためにこのように、世界の人々、自由愛護の烈士たちが決起しなければならない理由となるのです」(同、1154ページ)

 韓国がサタンの力に屈すれば、それは共産主義(中国、北朝鮮など)に屈する運命となります。
 韓国は、自由民主陣営の自由を守護する闘いに敗北してはならない使命を背負っていると自覚すべきなのです。

 1975年から50年の半世紀を経た2025年の現在、韓国で何が起きているのか。

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を弾劾訴追の末に、202544日に憲法裁判所は大統領を罷免する判決を言い渡し、後に大統領の座に上った李在明(イ・ジェミョン)大統領は、文鮮明師の妻である韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁を拘束するという暴挙に出て、宗教の自由を奪う様相をあらわにしています。

 宗教迫害を続ける中国に見習うかのように統一教(世界平和統一家庭連合)を邪教扱いにして、自らの政権を安泰にしようする姿勢は、到底、民主国家のリーダーと呼ぶことはできません。

 アメリカは現在の韓国の政治状況を危ぶむ姿勢を見せています。
 現在の韓国を見て一番喜んでいるのはおそらく中国でしょう。

 統一運動は、最終的に民主主義(アベル)と共産主義(カイン)の統一を果たし、世界平和(統一された一つの世界)を目指しますが、それは共産主義に対して安易な妥協で手を結び、統一を果たすという意味ではありません。
 中国、北朝鮮が共産主義を放棄するということであり、神の存在を認める民主主義への「屈伏」を意味するのです。

 「神はいる」という民主主義と「神はいない」という共産主義は水と油です。これはどちらか一方が屈伏するという内容を含んでいます。

 民主主義は「永遠の自由社会」であり、共産主義は「永遠の監視社会」です。共産主義がなぜ監視になるのかといえば、一党独裁、個人独裁になるからです。
 共産党の一党独裁、独裁者の個人独裁、これが監視と統制を必然的に生む結果となります。

 共産主義は自由を認めず、「神はいない」と叫ぶ結果、神の代わりに人間が神の絶対王座に座り、人民を奴隷扱いにして、独裁者は傲慢(ごうまん)の極に達するのです。