2025.12.13 22:00

ほぼ5分で読める統一運動 78
朝鮮半島は世界の縮図
稲森 一郎
文鮮明(ムン・ソンミョン)師は自叙伝の中で、朝鮮半島の分断の悲劇について以下のように述べています。
「朝鮮半島は世界情勢の縮図です。朝鮮半島で血を流せば世界が血を流します。朝鮮半島が和解すれば世界が和解し、朝鮮半島が統一されれば世界が統一されるのです」(自叙伝増補版『平和を愛する世界人として』光言社文庫判、279ページ)
実際、世界がアメリカとソ連を中心とする民主・共産の二大陣営に分裂した状態が、そのまま朝鮮半島に「縮図」として反映された状況があったことは、朝鮮戦争(韓国動乱、1950~1953)を見れば、確かです。
反対に、朝鮮半島に統一が実現されれば、朝鮮半島の拡大図が世界に反映される道理となるので、世界は争いをやめ、和解して「統一」へ向かうということになります。
特に、韓国を支えるアメリカと日本、北朝鮮を支えるロシアと中国、この四大国が朝鮮半島の統一に前向きに関与する、すなわち朝鮮半島を巡って争わない、統一を助けるという条件がそろえば、半島は統一されることになるでしょう。
故に、世界平和(統一された一つの世界)を実現する道は、朝鮮半島の統一という大きなテーマをいかに実現するかにかかっているということです。
統一運動の最大のテーマがここにあります。そのような理解の目を持って、朝鮮半島を見なければなりません。
世界の「縮図」という観点から、朝鮮半島を見ると、文師が述べた次の言葉を深く理解する必要があります。
「世界は争いと混乱と憎悪に満ちた罪悪世界になっています。国家も、社会も、家庭も、個人もそうです。どうして世界がこのように悪くなったのかと言えば、人間個々人において、歴史を通じて心と体が闘ってきたからです。この闘いは歴史と共に始まり、現在まで継承されてきているのです」(天一国経典『平和経』、96ページ」)。
すなわち、争い、混乱、憎悪が、縮図としての凝縮形で朝鮮半島では「激しさ」をもって現れることになり、善悪の分裂闘争が熾烈(しれつ)を極める半島になっているということです。
38度線の意味はそういうことを表しています。まさに善と悪の激突です。
このような事実は、世界の縮図として神が摂理された結果として現れてきているものです。
朝鮮半島の人々が神を呼び求め、地上天国を熱望する時に、サタンもまた激しく妨害し、神なき疑似理想世界(共産主義世界)を掲げてやって来ることを表します。
歴史的な人類歴史の分裂、対立、闘争の縮図が、半島の人々の意志に関係なく、この終末期(20~21世紀)に朝鮮半島に現れるのです。
それは、西回りに移動した西洋文明が、アメリカを経て、日本、韓国にたどり着いた20世紀の状況に現れており、島嶼(とうしょ)国家の日本、半島国家の韓国という東アジアの民主主義の二大国家が一つとなれば、「太平洋文明圏時代」「環太平洋文明時代」を本格的に開くことにつながっていくのです。
戦争に明け暮れた大陸文明時代から、平和の海としての太平洋文明時代へと大きく21世紀は舵を切っています。
特に、日本、韓国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、フィリピン、インドネシア、チリ、ペルー、その他、太平洋の島嶼国家などは、地政学的に太平洋と深く関わっており、環太平洋の文明圏を構築する国家群です。
世界の人々が平和の理想郷を求めて環太平洋圏にやって来る時代が21世紀であることは間違いないことであり、日本への海外からのインバウンド(訪日外国人旅行)の旅行客が急増している時代の姿はそのことを証ししています。