ほぼ5分で読める勝共理論 105
改めて勝共理論とは?③
階級闘争論とは

編集部編

国家観は伝統的価値に基づく
 日本人は古くから共同体を築き、助け合って生活してきました。この文化は個人主義ではありませんし、全体主義でもありません。

 筆者は日本の文化の核心は家族文化にあるのではないかと思っています。
 会社では社長も社員もみんなで利益を分かち合おうと考えます。
 国の政治では貧富の差をなくそう、社会的弱者のために福祉を充実させようと考えます。

 米国ではそうは考えません。大金持ちになるのも貧乏になるのも自由の結果だ。貧富の差は仕方がない。それがアメリカンドリームだと考えるのです。しかし日本人はあまりそのようには考えません。

 つまり日本人は、会社や地域社会、あるいは国を一つの家族と考える文化があるのです。日本は弱者に対する優しさと配慮を大切にします。
 このように、日本の文化は家族文化が基礎にあるのではないかと思うのです。

 国の政治を考える場合には、その国の歴史や文化を考えること、つまり国家観を考えることがとても大事だと思っています。

 例えば、個人にアドバイスをするときに、その人の事情と関係なく正論だけ話しても、押し付けになってしまいます。

 同様に、その国の歴史や文化を知らずに正論だけ話しても、独善的になってしまうでしょう。

 米国は中東の国々を欧米式に民主化しようとしましたが、全部失敗しました。結局は価値観の押し付けであり、独善的だったのだと思います。

 ですから国の政治家であれば、日本の歴史や文化を知って、その上で「これからの日本はどうすべきなのか」「どういう国にしていくのか」を考えるのが大事だと思います。
 これを日本の伝統的価値に基づく国家観というわけです。

階級闘争論は家族文化とは正反対
 政治家に国家観がないと階級闘争論に負けてしまいます。
 階級闘争論というのは、共産主義の哲学の一つです。

 社会を支配する人と支配される人の二つのグループに分けて、非支配者が敵である支配者を倒してこそ社会が発展する。むしろ支配者を倒さない限り労働者は解放されないという理論です。これが共産主義の国家観なのです。

 「事物の発展は対立物の統一と闘争によってなされる」という考え方ですが、この哲学は家族文化とは正反対の考えです。

 共産党が安倍元首相を激しく攻撃したのは、安倍氏を支配者だと考えたからです。
 彼らにとって、社長や政治家など、上に立つ存在は全部敵なのです。家族とは考えません。そして究極の敵は国家です。警察も軍隊も全て敵なのです。

 国家が敵でなくなるのは、自分たちが国を支配したとき、つまり共産党一党独裁政権が誕生したときだけです。
 そのための手段が革命です。共産主義は明確にこういう国家観を持っています。

 これは彼らにとっては戦争なのです。革命を成功させないと支配され続けることになります。「やるかやられるか」の世界です。だからいつも殺伐としています。街中でビラを配っている人も、だいたい怖い顔をしています。

 勝手に敵をつくり出して、勝手に戦争状態だと考えています。
 「俺がうまくいかないのはあいつらのせいだ」「あいつらが支配をしているからだ」「国家のせいだ」と言って責任転嫁をします。そしてあらゆる手段を使って敵や国家を倒そうとするのです。

階級闘争論に惑わされるな
 階級闘争論がややこしいのは、一見すると弱者の味方のように見えるからです。彼らに賛成・同調しないと、その人が優しさや配慮がないように見えるのです。

 例えば、「おまえたちは沖縄県民の痛みが分からないのか」「福島の痛みが分からないのか」「権力を批判しないおまえたちは支配者の仲間になって弱いものいじめをするのか」と、日本人の良心を脅迫するのです。

 国家観がない人は明確な国家観を持つ階級闘争論にだまされてしまいます。

 特に政治家はそうです。政治家は国民に寄り添おうとします。それが政治家の使命です。弱者の敵にはなりたくありません。それ故、だまされてしまうわけです。
 やはり政治家には、階級闘争論の誤りを見抜くような明確な国家観が必要だと思います。

 日本では国家観を語ると右翼だとか軍国主義者だと言われたりします。
 これは日本人が、知らずのうちに階級闘争論の影響を受けてしまっているからでしょう。
 先ほど説明したように、日本の歴史や文化をどう語っても、独裁や全体主義にはならないのです。

 ですから私は、日本人はもっと国家観を論じるべきだと思います。そして自分の国の文化に誇りを持てるようになれば、その結果として、他の国の文化も尊重できるようになるのだと思います。それが真の意味で国と国との関係を良くしていくものだと考えます。

 さらに彼らは、沖縄の米軍基地反対とか、福島の原発反対とか言ったりしていますが、沖縄県民や福島県民のことはほとんど考えていません。
 沖縄では反基地運動ばかり行ったことで県が貧しくなりました。また、福島県民に真に寄り添うのなら、早く風評被害をなくせばよかったのです。

 要は弱者の味方ではなくて、弱者を利用しているだけなのです。これも階級闘争論の特徴です。このことは文化共産主義問題でも同様です。

 次回も引き続き、共産主義の哲学の問題点について説明します。

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