ほぼ5分で読める統一運動 75
天宙平和連合創設の背景と、その意義

稲森 一郎

 文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)夫妻は、超宗教的基盤を、国連を中心とした超国家的基盤と連結するため、199926日、「世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)」を創設しました。

 超宗教超国家のビジョンは、既存の国連に代わる機構創設へと続き、2003103日には「超宗教超国家平和協議会(IIPC)」が、そして2005912日には「天宙平和連合(UPF)」が創設されました。

 このような発展的過程を見ると、IIFWPの到達点がUPFという組織の創設にあったことが分かります。

 文鮮明師はこのように述べています。

 「超宗教というのは、今までの宗教ではいけないということです。新たに、世界の宗教の行くべき道を提示しなければなりません。超国家というのは、今までの政治風土や国連を中心としてはいけないということです。超国家超宗教です。そこに、今後つくろうとする超言論機関と超金融機関を中心として、これさえできれば、世界が進んでいける方向を定めてあげることができると考えたので、それを準備してきたのです。そのような意味で、国連に定着するための一つの機関をつくったのですが、それが『世界平和超宗教超国家連合』です」(天一国経典『真の父母経』、12881289ページ)

 続けて、こう語っています。

 「国連に、下院制度としての政治圏と上院制度としての宗教圏を構成しなければなりません。この上院と下院は、野党と与党のように対決するのではなく、連合しなければならないというのです。
 国連に上院と下院ができれば、宗教圏は自動的に政治圏内に入るようになります。今は、宗教と政治が分離されています。政教分離です。しかし、このようになれば、自動的に政教一致になります。これからは選挙がなくなります。教育を通して、一つになるようにしなければならないのです。超宗教と超国家です。宗教と国家は怨讐(おんしゅう)の立場ではなく、互いに愛し合い、一つにならなければなりません」(同、1289ページ)

 このように、国連の二院制を提唱したのであり、このような考えのもとにIIFWPが創設されたことが分かります。
 そして、そのIIFWPの発案は、そのままそっくりUPFの創設に結実します。

 「国連に、上院のような機関をつくらなければなりません。国連が国家主義の環境から離れることができずにいます。宗教的限界を越えることができずにいるのです。それは、真の父母の思想でなければできません。『神主義』、『頭翼思想』でなければできません。今後、国家主義的で宗教的限界を越えることができない国連は、自然に機能しなくなります。それを越えることができなければ、越えさせるのです。
 ですから、アベル的な「世界平和島嶼(とうしょ)国家連合」、「世界平和半島国家連合」、「世界平和大陸国家連合」をつくりました。これらを中心として、アベル国連をつくるのです」(同、1289ページ)

 このような提案は全てUPFにおいて、創設の実現を見たのです。IIFWPはまさにUPFへの橋渡しでした。
 結局、超宗教、超国家のコンセプトを担ってUPFが誕生したということです。

 「神様のもとの一つの宇宙」「地球村大家族の世界」を目指して、UPFは創設されたのです。