2025.11.09 22:00

ダーウィニズムを超えて 136
アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。
統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著
第九章 科学時代の新しい神観
(二)統一思想による新しい神観
(5)ロゴスの神
3. 宇宙に開いた星の玉手箱
天体物理学者たちは、宇宙は「真空のゆらぎである」とか、「インフレーションによって急激な膨脹が起き、さらにビッグバンによって爆発的に生まれた」と言っている。しかし単なるゆらぎから、あるいは膨脹や爆発によって、このような秩序ある美しい天体がつくられるのであろうか。実は、科学者たちも半信半疑の状態なのである。
夜空に打ち上げられる花火を考えてみよう。花火は火薬の爆発であるが、火薬をでたらめに詰め込んで打ち上げても、火花が散るだけで花は咲かない。火薬を配合し、火薬の小さな玉(星という)を詰め込む花火師の技によって夜空に美しい花が咲くのである。したがって花火は「夜空に開いた花の玉手箱」ということができる。
宇宙の天体も花火のように美しい様相を示している。端正な美しさで有名なアンドロメダ銀河(Andromeda Galaxy)、天上に咲く花といわれる干潟星雲(Lagoon Nebula)、そしてわれわれの銀河の中にできた奇跡の星といわれる地球、それらはまさに「宇宙に開いた星の玉手箱」である。花火師のように神様が宇宙のエネルギーにロゴスを仕込まれたのであり、宇宙は膨脹や爆発という過程を通過しながら、ロゴスに従って発展したと見るべきである。ロゴスは単なるゆらぎのようなものではない。人間、そして人間の住み家である地球を造るという明確な目的のもとで練られた宇宙の構想がロゴスなのである。そしてロゴスは宇宙の始まりのみならず、今日まで宇宙を導いてきたのである。
松井孝典は地球の誕生を探求した結果、「太陽系第三惑星は本当に目を見張るような完璧さで『水惑星』になってきた(*35)」と言い、「宇宙は地球を生み出すべき必然性をもっていた(*36)」と考えざるをえないと言う。まさにロゴスによって、地球を生じるように、宇宙は形成されたのである。
*35 松井孝典『地球・宇宙・そして人間』徳間書店、1987年、286頁。
*36 松井孝典『宇宙誌』徳間書店、1993年、150頁。
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次回は、「自然界に作用している数理」をお届けします。