2025.10.27 22:00

facts_3分で社会を読み解く 91
中国共産党と結託する世界的反カルトネットワーク(3)
韓国の「反カルト運動」①
根本主義プロテスタント教会が主導する韓国の反カルト
ナビゲーター:魚谷 俊輔
去る10月10日、韓国の特別検察は韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁を起訴した。
この事件は、まだ真相が分からない部分も多いが、このシリーズでは世界的反カルトネットワークによる信教の自由に対する攻撃という観点から、この事件の背後について解説したい。
今回の事態は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が職権乱用で解任され逮捕され、与党が大統領選挙で左派の民主党に敗北するという、特殊な政治状況の中で起きた。
しかしその背後には、韓国の「反カルト運動」が存在したのであり、彼らは尹大統領の失脚に乗じて左翼政権と結託して一気にその目的を達成したのである。
韓国の反カルト運動には、①特異なルーツ、②ディプログラミングの問題、③共産主義および中国の影響、という三つの側面があるとマッシモ・イントロヴィニエ氏は説明する。
彼によれば、韓国におけるキリスト教主導の反カルト運動の熱狂は、他の国には類例のないものであり、韓国の反カルト運動を主導しているのは、根本主義のプロテスタント教会なのである。
キリスト教団体は、統一教会、新天地、神様の教会世界福音宣教協会、法輪功、摂理、エホバの証人、全能神教会など、さまざまな「カルト」に対し、毎週、あるいは毎日、街頭抗議を行っている。
反カルト活動家は世俗の当局にも働きかけ、異端の「カルト」に対する政府の対策を定期的に要請しており、一部の政治家も彼らの主張に同情的である。

ここで、韓国の「反カルト運動」の歴史的背景についてしばらく説明したい。
韓国の根本主義キリスト教は、「異教」の韓国文化および宗教は悪魔的で、不道徳で、根絶されるべきであり、国内のキリスト教共同体は絶えず浄化され、その痕跡を一切残さないようにすべきだと考えていた。
これには厳格な規律が必要だった。
厳格な規律と「異教」の残滓に対する絶え間ない警戒の結果、異端裁判、破門、そして分裂が頻繁に発生した。
長老派教会を中心とする韓国の根本主義プロテスタントは、独裁的な政権を含む権力者を支持することによって生き残ろうとする傾向があり、政治とのつながりを重要視した。この傾向と「異端」に対する敵対的な姿勢が共存するのが彼らの特徴であった。
韓国におけるキリスト教反カルト運動は、当初は主に長老派教会によって推進されていた。
この運動は、パク・テソンが設立した「オリーブの木」や、文鮮明(ムン・ソンミョン)師が設立した統一教会といった団体に、長老派教会の信者が流出したことに対する危機感から始まった。
数年のうちに、長老派教会やその他の根本主義キリスト教は、既存のキリスト教団体からの支持獲得に熱心な主流メディアや政治家と連携し、効果的な反カルトネットワークを構築したのである。