家族の心を結ぶ 3

 『グラフ新天地』2004年5月号に掲載された特集記事を、編集部が再編集してお届けします。

〈嫁姑〉
大切な人を愛してくれた貴重な存在

親子と夫婦の愛は異なる
 嫁姑(しゅうとめ)といえば、いつの時代でも「反発」の代名詞のように思われてきました。生きてきた時代や場所がまったく違うので、確かに考え方の違いはあるでしょう。しかし、嫁姑問題の本質は、愛が減ったように感じることなのです。

 姑は、息子(嫁にとっては夫)を苦労して生み、育ててきました。息子(夫)も、その母の苦労を知り、親孝行をしてきました。姑は嫁の出現によって、そのような息子からの愛が減ったような錯覚に陥るのです。

 嫁の方も、夫が姑のことを気にかけるたびに、「私とお母さんのどちらを愛しているの」という気持ちになりやすい傾向にあります。

 どちらの場合も、息子や夫からの愛が減っているわけではありません。どちらも愛しているのです。親子と夫婦の間では、その愛の種類が異なるだけなのです。

 嫁や姑との関係がギクシャクしてきたと感じた時は、次のように考えてください。

 嫁にとって姑は、夫を生み育ててくれた人、姑にとって嫁は、息子と結婚してくれた人です。どちらも、自分の大切な人を愛してくれた、貴重な存在なのです。

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 次回は、「自分が変われば相手も変わる」をお届けします。