ほぼ5分で読める勝共理論 98
夫婦別姓問題①
日本の家族制度を根本的に破壊する夫婦別姓

編集部編

「夫婦別姓」に反対する理由
 今回からは、5回に分けて夫婦別姓問題について考えていきます。

 2021623日に「夫婦同姓を定める民法は憲法違反ではない」、つまり合憲であるとの判決が最高裁で出されました。
 この判決はその5年前に争われた裁判と同じ内容なのですが、筆者は実に妥当な判断だったと考えます。

 ただこの判決は、今の民法は憲法違反でないと言っているだけで、夫婦別姓が駄目だと言っているわけではありません。
 夫婦別姓を認める法律を作りたいのであれば、国会でそのように法律を制定すればいいのだと言っているわけです。

 それで推進派の人たちは、今こそ夫婦別姓を実現しようと熱心に活動しています。
 全国の地方議会に働きかけて、意見書を採択させたりしているのです。
 実は夫婦別姓問題については、読者の皆さまからもたくさん質問を頂いています。

 例を挙げてみると、「日本でも国際結婚をした人は夫婦別姓では?」「韓国は夫婦別姓では?」「なぜ夫婦別姓ではいけないのか?」といった内容です。

 結論から言うと私たちは夫婦別姓には断固反対(日本人同士の場合)です。選択的であっても反対です。
 反対する理由は簡単で、日本の家族制度が破壊されてしまうからです。

 選択的夫婦別姓というのは、結婚して名字を変えるかどうかをその人が選べるという制度です。
 「名字が変わって幸せを感じる人もいる。そうでない人もいる。一律にみんな同じにしなくてもいいのではないか。これだけ価値観の多様化が叫ばれている時代なのだから、名字も自分で選べるようにしたらいいのではないか」
 推進派の人たちはそのように主張します。

 では、私たちがなぜ反対するかというと、夫婦別姓は日本の家族制度を根本的に破壊するものだからです。

夫婦別姓運動の背景にあるもの
 日本では今、家族の弱体化が大きな問題になっています。
 コロナ禍で学校が閉鎖されたら給食がなくなってご飯を食べられない子供がたくさん出たという話もありました。

 この制度が導入されれば、さらに家族がバラバラになるでしょう。
 なぜそのように言えるかという理由は、次回詳しく説明します。
 つまり夫婦別姓というのは、「自分らしさを大切にしよう」というレベルの話ではなく、もっと深刻な問題なのです。

 それから「韓国は夫婦別姓では?」というのは全くの誤解です。もちろん、韓国では結婚しても名字が変わらないというのは事実です。
 しかし韓国の夫婦別姓は、個人を尊重しているからではありません。個人以上に血縁を重視する制度だからです。
 この点については、次々回に詳しく説明します。

 夫婦別姓運動の背景には、ある思想が存在します。その思想とは「文化共産主義」です。
 具体的には、家族制度を壊したいと考える思想なのです。つまり日本の戸籍制度をなくしたいということです。
 戸籍制度をいきなり全部なくすというのは難しいので、まずは選択的夫婦別姓を導入しようとしているわけです。

 LGBT問題も同じですが、夫婦別姓問題は単に自分らしさを大切にしようというものではありません。
 日本の家族制度を守るのか守らないのか、家族制度を壊して完全に個人主義の国にするのかという問題なのです。それがこの問題の本質です。

 推進派の人たちは、夫婦別姓は国民の声だとも言っています。
 しかし実際は、大半の日本人は夫婦別姓に賛成していないのです。選択的夫婦別姓に対しても同様です。
 大半の国民の声を置き去りにして、一部の過激な推進派の意見で日本の家族制度を壊すようなことがあってはいけません。

 読者の皆さまには、この問題の本質をしっかりと理解していただきたいと思っています。

【関連書籍】

◆『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために~』(光言社)

▲詳細はこちらをタップ