2025.09.20 22:00

ほぼ5分で読める統一運動 66
神の摂理と平和世界実現に対する責任
稲森 一郎
文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)夫妻が主導される世界平和実現運動、すなわち統一運動は、1993年を成約時代の出発であると宣言しました。
同じ年に、「真の父母と成約時代」の主題のもとでアメリカ、日本、ヨーロッパで、韓鶴子総裁が講演されたことは、第二次世界大戦終了後の1945年に再臨主とキリスト教が出会って一つになり、7年間(1945~1952)で地上天国を完成するというプログラムが再現されていく(蕩減復帰される)ということを意味していました。
1993年の「真の父母と成約時代」の講演は、夫である文鮮明師が再臨主の立場に立っておられることを、妻である韓鶴子総裁が世界の人々(特に、欧米キリスト教圏の女性たち)にはっきりと証していく目的がありました。
韓鶴子女史は世界平和女性連合の総裁として立った責任を背景に、世界の女性たちに対して、わが夫の人類救済(霊的救済と肉的救済)の使命について、聖書の奥義を説明しながら語ったのです。(『平和経』1482~1492ページ参照)
その後の経緯を見ると、アメリカが湾岸戦争(父ブッシュの戦争)からイラク戦争(息子ブッシュの戦争)へとのめりこんでいくことによって、再臨主の人類救済の摂理に協力し対応することができなくなっていったというのが実情でした。
神の摂理から見ると、アメリカはブッシュ親子が関わったイラク戦争(2003~2011)およびアルカイダの首魁オサマ・ビン・ラディンの隠れ家を探し出すアフガニスタン戦争(2001~2021)などを起こす必要はなかったと言わざるを得ません。その意味で、2001年の9.11テロ事件は神の再臨摂理を妨害し破壊する悪魔的な事件でした。アメリカの衰退はこの二つの戦争で使った莫大な戦費に大きな原因があります。ジョセフ・スティグリッツ(ノーベル賞経済学者)が指摘するイラク戦費3兆ドルの衝撃は、戦争の愚かさを表しています。
文師は、2005年9月12日、ニューヨークのリンカーン・センターで語られた平和メッセージ1「神様の理想家庭と平和理想世界王国」の中で、スティグリッツと同じことを明確に述べています。
「アメリカが過去3年の間、イラク戦争につぎ込んだ戦費がどのくらいになるか御存じですか。約20兆円(2000億ドル)に迫っています。
それだけ予算があれば、ベーリング海峡プロジェクトを完成しても余るお金です。なぜ私たちが、互いに殺し合う戦争に、このように途方もないお金をつぎ込む愚かな蛮行を続けなければならないのでしょうか。聖書のイザヤ書第二章四節の教えのように、今や、『銃や刀を溶かして、すきとくわを作る』時です」
このような文師の警告は、アメリカがキリスト教国家としての本来の地上天国建設の使命を、再臨主と一つになって遂行することが出来ないでいる姿に苦言を呈しているのです。2000年代に入ってからも、サブプライムローンやリーマンショックなど、金融危機が米国を襲い、その財政赤字はうなぎ上りになっています。
アメリカとヨーロッパのキリスト教文化圏の国々が目覚めることを、ホーリーマザー・ハン、韓鶴子総裁は心から望んでおられます。
1993年から1999年までの7年間が戦争ではなく平和建設に用いられたら、朝鮮半島の南北統一も、その時になされていた可能性があります。
私たちは神の願いの実現において、賢明でなければなりません。