2025.09.18 12:00
ほぼ5分で読める勝共理論 95
台湾有事③
中国共産党一党独裁政権の正体
編集部編
中国共産党は「政党」なのか?
さて今回は、中国の本気度についてお話しします。そのためにまず、中国の国家体制について説明します。
中国は共産党一党独裁政権です。
中国共産党、略して「CCP/Chinese Communist Party」といいます。
中国共産党を日本の政党と同じような存在だと考える人が多いのではないかと思います。
日本の自民党とか立憲民主党とか、あるいは日本共産党とか、そういう政党とCCPが同じような組織だと思ってしまうのです。
中国がどういう国かというと、共産党が国を指導するという体制を取っています。そのように憲法に書いてあります。だから共産党の指導の下に国があって、国の中に政府とか警察とか裁判所とかがあるわけです。
日本の政党は国の中にある組織です。それに対して中国の共産党は国の上にある組織です。
つまり、中国共産党というのは国の機関に支配されない組織なのです。そういう意味では、「党」という言葉は付いているのですが、政党ではないわけです。
政党というのは、民主主義の社会で国民の意見を反映させるための組織です。
中国共産党はそういう組織ではないということなのです。
これは筆者の考えですが、中国共産党は政党というよりも、むしろテロ組織に近い組織だと思っています。
イスラム国(IS)という団体があり、軍事力を使って中東の広大な地域を支配していましたが、彼らは「国際社会が決めた国境は自分たちには関係ない」と言って自分たちが国境線を引き、支配したのです。
筆者は、中国共産党は政党というよりはこのイスラム国により近いのではないか。つまり、テロ組織と似ているのではないかと考えています。
「中国軍」はCCPの軍隊?
中国には中国軍がありますが、この正式名称は「中国人民解放軍」といいます。この軍隊は、普通の軍隊ではありません。
一般的な軍隊とは、国の組織であり、政府の指示によって国民を守るための組織になります。ところが中国の軍隊は、中国という国家の軍隊ではなく、中国共産党の組織なのです。
例えば日本でいうと、自民党が軍隊を持っているのと同じです。
「選挙に負けたら軍隊で支配すればいい。そもそも選挙の必要などない」、そのように例えられる組織なわけです。
2021年7月に、中国共産党の創立100周年記念の大会がありました。
この時、人民解放軍が何と言ったかというと、「党に永遠に忠誠を誓う」と言いました。国家に忠誠を誓うのでもなく、国民を守ることを誓うのでもなく、党に忠誠を誓う組織なのだということです。
中国のトップは習近平氏ですが、この人には国のトップとしての国家主席という肩書と、党のトップとしての総書記という肩書があります。
どちらの肩書がより重要かというと、対外的には国家主席ですけれども、国内では間違いなく総書記です。
国家主席より総書記の方が重要である、中国はそういう国だということです。
多くの日本人が、「中国は隣の国だから仲良くしよう」と言ったりします。日本人は優しいし、人をすぐ信じるのでそう言うのです。
しかし繰り返しますが、「テロ組織が支配するような国が存在する」ということです。そしてその国が、「台湾を武力で支配する」と堂々と言っているということなのです。
そこまではっきりと中国共産党が言っていても、「いや、そんなことはない。武力で侵攻すると堂々と言っていても、本当はそこまでは思ってないのではないか」と信じるかたが多いのが日本人ですが、それとは反対に、隙あらばいつでも支配を広げ、そしてその地域を弾圧していく、それが中国共産党だということです。
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