ほぼ5分で読める勝共理論 94
台湾有事②
台湾有事が起きたら、米軍は負ける!?

編集部編

戦争は簡単には始まらないが…
 台湾有事が近いのではないか、つまり中国が口だけではなく、本当に台湾を攻めるのではないかという話を随分聞くようになりました。

 もちろん戦争は、簡単に始まるものではありません。戦争をすれば多くの犠牲者が出ます。「人が死ぬ」ということは大問題であり、中国のような独裁国家であってもそうです。

 戦争に負ければ国は大変な損害を被ります。賠償金も払わないといけません。ですから、戦争をするのであれば、確実に勝てる状況でなければやらないのです。
 万が一にも負けてはいけない。戦争をすれば圧倒的に優位だという状況になって初めて戦争が始まるわけです。

 戦争をすれば、その国は間違いなく国際社会で孤立します。
 現代のグローバル社会では、孤立して生きていける国はありません。特に中国は、「世界の工場」といわれるように貿易で成り立っている国ですから経済が成り立たなくなります。

 結局戦争をすれば、たとえ勝ったとしても国がつぶれてしまうというケースも起こり得ます。そのようなことは独裁者であっても望まないのです。ですから、戦争はそう簡単には始まりません。
 逆に言うと、世界中の国々は戦争が起きないようにいろいろな努力をしているといえるわけです。

 その上での話になりますが、最近では「台湾有事が本当に起こるのではないか?」それも、ずっと先のことではなく、「数年以内に起こるのではないか?」という話が出てきています。

米国の軍事力は中国に負けている?
 ところで、米国の軍隊には大きく分けて九つのグループがあり、そのうち日本やアジアを担当するのがインド太平洋軍です。

 そして2021年の3月のことなのですが、インド太平洋軍のトップであるフィリップ司令官(当時)が米議会公聴会である発言をしました。

 その内容というのは、中国の軍事力の拡張は米国の予想以上に早く進んでいて、台湾有事は6年以内に起こるかもしれないというものでした。

 仮に台湾有事が起きると、最近のシミュレーションでは米軍が負け続けているという話なのです。

 シミュレーションというのは、お互いの軍事力をコンピューター上で戦わせるものです。実際には、シミュレーションに入らない出来事も起こります。
 例えば台湾にいる中国のスパイが、国会議事堂とか発電所を爆破したりするかもしれません。サイバー攻撃で街中を停止させるかもしれません。

 そういうことを抜きにして、純粋に軍事力だけをコンピューターで計算したとしても米軍は中国に負け続けているという話なのです。

 軍人というのは、私たちが知らないさまざまな情報を知っています。
 例えば、「ここに中国の潜水艦が潜んでいますよ」というような情報を公表してしまうと、中国側からすれば、「なるほど、ここまでなら米国は気が付かなくて、ここまで来ると気が付くんだな」ということが分かってしまいます。
 「だったら、気付かないここからミサイルを発射すれば相手をやっつけられるな」ということが分析できてしまうわけです。

 ですから中国は水面下でいろんな動きをしていても、その情報が公表されることはありません。手の内を明かすことになってしまうからです。

 前述の司令官、つまり米軍のトップは、そういう機密情報を全て知っています。それらを知った上で、あえてプライドを捨てて「米国はシミュレーションをすると負けてしまう」「中国は圧倒的優位に立っていて、あと6年以内に戦争が起きるかもしれない」と言ったということなのです。

 その上で、台湾有事が本当に起きるかどうかというのは、最終的には中国の本気度にかかっています。
 次回は、中国の本気度について考えます。

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