2025.09.06 22:00
ほぼ5分で読める統一運動 64
成約時代出発の源焦聖地、パンタナール
稲森 一郎
1990年代、文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)夫妻による統一運動は世界全体を視野に入れながらも、その活動の中心軸を中南米に移したことが、摂理上の特徴的な動きであったと見ることができます。
そのことについて、文鮮明師は次のように語っています。
「神様は、アダムとエバのためにすべての万物も造り、この愛の家庭のために、千秋万代の後代において、これらを愛し、これらを管理、育成して暮らせるように、このような環境(パンタナール)を祝福したと考えるのです。それゆえ、ここが、神様が最初に出発する聖地だというのです。源焦的な聖地です。最初だというのです。その次には、成約時代を出発し、地上・天上天国を開門する家庭的出発地になるというのです。」(『真の父母経』、1190ページ)
成約時代を出発するにふさわしい理想的な場所が南米のパンタナールであると文師は語っているのです。
文師夫妻は、神様が最初に出発する聖地、すなわち源焦的な聖地がパンタナールであるとしたのです。
「神様が造ったものの中で、どれ一つとして絶滅していない本然の基準を中心として、愛することができるようにしようと考え、このパンタナールを源焦聖地、根源聖地、勝利聖地と言いました。愛したのです」(同、1190~1191ページ)と語っているように、文鮮明・韓鶴子夫妻はパンタナールを徹底的に愛されました。
文師は、「真の父母が定着することによって、女性解放とともに、『真の父母と成約時代の到来』を宣布しました」(同、1398ページ)とも語っています。
1993年1月1日、そのような背景から、「真の父母」の時代である「成約時代」がソウルで宣布されたのです。
このような宣布と軌を一にして、中南米摂理が展開されるようになった背景は、成約時代を出発するにふさわしい場所が、まさに源焦聖地としてのパンタナールであったからです。
堕落する前のアダムとエバの美しい本然の環境であるエデンの園がそこにあったからです。
北半球(韓国、日本、米国、欧州)を中心として展開されてきた統一運動が、思いがけない南半球の南米に重心が移されたことを理解するのは、当時、多くのメンバーにとって難しいことであったかもしれません。
しかし、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの4カ国を中心として、中南米の各国に献身的に活動が展開されるようになり、中南米の基盤が徐々に固まっていきました。
南米の共産主義勢力を抑えるための「CAUSA運動(カウサ/南北米統一連合)=南北米版の勝共運動)」は、すでに1980年代から、「CAUSAレクチャー」という形で中南米各国の政治リーダーおよび聖職者たちに対して活発に行われていましたが、さらに多くの日本の女性たちが宣教師として中南米に渡り、宣教活動に励むようになります。
1990年代、成約時代が本格始動したのと同時に、南米が非常に重要な場所となったことは、「源焦聖地」という言葉に示されていますが、文師の祈祷の中にも見て取ることができます。
「全体、全般、全権、全能によって主管してくださり、天に直行できる祝福の基地をここに選んで、父のみ前に奉献いたしますので、この場を貴いものとして御覧になってください」(同、1191ページ)
文師は、南米が水陸の連結地点であり、パンタナール、サロブラ、ジャルジンなどが優れた景勝地であることを見通して、地上天国、天上天国建設の発進地になり得ることを天のみ前に報告したのです。