2025.09.03 22:00
スマホで立ち読み Vol.38
『“人さらい”からの脱出』21
小出浩久・著
スマホで立ち読み第38弾、『“人さらい”からの脱出』を毎週水曜日(予定)にお届けします。
2年間にわたる拉致監禁後、「反統一教会グループ」の一員として活動した経験のある筆者。そんな筆者が明らかにする、「脱会説得」の恐ろしい真実とは。
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第1章 15カ月間の監禁生活
四、新潟での説得、逃げ回る生活の始まり⑥
このように私の中での統一原理と文(ムン)先生への確信はますます深まっていったが、2千年間、キリスト(救世主)の再臨を待ち続けてきたキリスト教にとって、果たして、文鮮明(ムン・ソンミョン)先生という人物は、救世主たり得るのだろうか?
私にとって確信が深まれば深まるほど、この疑問も強くなっていった。
この私の疑問にきちんと答えてくれたのが『統一神学』(金永雲〈キム・ヨンウン〉著)であった。
著者は、日本の関西学院大学神学部を卒業し、カナダのトロント大学イマニュエル・カレッジを卒業した。そして韓国梨花女子大学の組織神学教授をしていたとき、統一教会に入教している。
これを読んで、キリスト教徒と指導者が悩み続けてきた課題や問題点を知ることができた。それらに対して統一原理が解答を提示していることをよく理解できた。
神の実在と本性、家庭の重要性、霊的世界に関する記述などは、クリスチャンにとっては、目新しいと言える内容かもしれないが、新しい希望の光を投げかけてくれるのではないかと思う。
特に、「心情の神」という項目の「もし“心情”が人間の人格性の内的核心を象徴するものであり、また、神は“心情の神”であるならば、神は少なくとも我々人間が感じるのと同じくらい深く感じる方である。この世の出来事に対しても、神は少なくとも我々と同じくらい敏感である。……神は“心情の神”であるため、被造世界の中で起こるすべてのことによって深く影響される方であるに違いないのである」(92頁)という記述は、すべてのクリスチャンに一度は読んで、考え祈ってみていただきたいと願う。
また、原罪論、イエスの使命、キリスト論では、もはや、人間的知恵では、統一見解を出すことの難しいほど意見の分かれてしまった問題(罪そしてメシヤという問題)に解決の光を与えていると思った。
この『統一神学』を学び終えた後、私は、今後いくら長い間、監禁状態の中で、反対する人たちの意見を聞いても統一原理に対する確信が崩されないだろうと感じていた。ましてや“反統一教会グループ”の人々がいう「まったくデタラメで意味のない理論」との考えに同意することをありえないと思った。こんな素晴らしい書物をゆっくり学べたことを神に感謝した。
三冊の書物を学んで精神的にはゆとりが生まれた。もう、「信仰を失う」という恐怖はなくなった。
(続く)
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次回は、「逃げ回る生活の始まり⑦」をお届けします。