facts_3分で社会を読み解く 81

ニューヨークで行われた信教の自由に関する国際会議(1
宗教が脅威にさらされている現代社会

ナビゲーター:魚谷 俊輔

 去る81日から3日にかけて、米国・ニューヨーク市内の会場で、「現代における宗教の自由への脅威の根本原因の評価」をテーマに、第3回HJI平和と公共リーダーシップ会議が開催された(「HJI」とは、「HJ平和・公共リーダーシップ国際大学院」の略称で、かつての統一神学大学院)

 同会議の主催者は、米国の世界平和統一家庭連合とHJ平和・公共リーダーシップ国際大学院で、後者はかつて統一神学大学院(UTS)と呼ばれていた学校であり、私の母校である。

 同大学院はこれまで2回にわたって、教派間・宗教間の対話などのテーマを含む、宗教、平和、そして公共リーダーシップに関する国際的な学術会議を開催してきた。
 第3回に当たる今回は、デミアン・ダンクリー米国家庭連合会長の提案で、宗教の自由をテーマに行われることになった。

▲左から2人目が筆者

 会議の案内文によれば、宗教の自由は多くの国々の憲法によって保障され、世界人権宣言でも言及され、国連憲章にも明記されているにもかかわらず、世界各国において宗教は依然として脅威にさらされているという。

 そして現在、日本の家庭連合は解散の危機に瀕しており、多くの宗教、特に少数派宗教は多くの国で差別に苦しんでいる。
 また世界を見渡せば、宗教または信条の自由の原則を尊重せず、特定の宗教を意図的に弱体化させることに強い関心を抱く政府や非国家主体が多数存在するという。

 こうした現状を分析し、宗教の自由という大義を実現するための理念的基盤や具体的な方法について話し合うことが会議の目的である。
 会議の参加者は家庭連合の信仰を持つ有識者に限らず、幅広い宗教的背景を持つ専門家が招待された。

 この会議のプログラムの中で、82日の午前中に日本の家庭連合の事例に関するセッションが設けられたため、私が発表者として招待を受け、ニューヨークまで行ってきたので、その会議の様子を報告したい。

 日本に関するセッションでは、マイケル・ジェンキンズ米国UPF会長が司会を務め、私が「日本における反統一教会運動」と題するプレゼンを行い、小出浩久医師が拉致監禁強制改宗の被害者として、自身の体験を語った。
 さらにパトリシア・デュバル弁護士が録画映像で参加し、日本の家庭連合解散における「司法の独立性と適正手続きの侵害」と題するプレゼンを行った。

 その他のセッションでは、マッシモ・イントロヴィニエ氏が「反カルト運動:定義と五つのモデル」と題して講演したほか、昨年12月に日本を訪問して国際宗教自由連合の大会で講演したマルコ・レスピンティ氏も「現代の無神論がもたらすもの」と題してプレゼンを行った。

 次回から、日本に関するセッションにおけるプレゼンを中心に、会議で語られた内容を紹介したい。


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