世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

自由民主党が両院議員懇談会を開催

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、728日から83日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 自民党両院議員懇談会を開催(728日)。トランプ氏、ロシアの和平猶予短縮を表明(28日)。トランプ氏、ガザに食料センター設置を表明(28日)。米中、関税停止90日延長で一致(29日)。英、パレスチナ国家承認の可能性表明(29日)。トランプ氏、米原潜展開表明しロシアに対抗(81日)、などです。

 石破首相は、自民党をどんな党にしたいのでしょうか。疑念が広がっています。

 自民党は728日、両院議員懇談会を開催しました。大敗した参議院議員選挙結果を踏まえての意見交換をする場としての懇談会なのです。議決権はありません。

 4時間半(通例ならば2時間程度)に及んだのですが、議員発言のほとんどは、石破氏に対する退陣要求だったといいます。

 石破氏は冒頭、「選挙は大変厳しい結果となった。多くの同志の議席を失い、深く心からおわび申し上げる」と陳謝しました。

 さらに、日米関税交渉に触れ「合意の着実な実行に万全を期したい」と強調しながら、責任の取り方については「政治空白を生むことがないよう責任を果たしていきたい」とし、「国民の意見に謙虚に真摯(しんし)に耳を傾けたい」と語り、退陣表明の時期を明確にしなかったのです。

 確かに日米関税交渉は、合意文書がないといった課題はあるものの、妥結しています。この点に関する首相の主張は、続投の根拠にはなりません。

 何しろ昨年の衆院選、今年の都議選、そしてこのたびの参院選と3連敗です。
 この状況下で自らの退陣表明をしないことは、あり得ないことなのです。

 出席者から退陣要求が相次ぎました。いくつか紹介します。

 「参院選で多くの候補者がもがき苦しんだ。組織のトップとしての責任の取り方についてしっかり考えていただきたい」(小林鷹之衆議院議員)

 「(過去の安倍政権や麻生政権への自身の)発言に首相はどう答えるのか。初めにやるべきことは即時退陣だ」(山田宏参議院議員)

 「両院議員総会を開催して、決議に拘束力のある形で議論を戦わせるべきだ」(柴山昌彦衆議院議員)

 「衆院選、都議選、参院選の責任は組織の長として総裁にけじめをつけていただきたい」(鈴木貴子衆議院議員)

 「何人かから、石破首相が続投したいのであれば、首相も(前倒し)総裁選に出ればいいとの発言があった」(若林洋平参議院議員)

 擁護発言もありました。

 「続投を支持する。(首相には)野党とテーマごとに合意を取り付け、予算、重要法案を仕上げてきた実績がある」(船田元衆議院議員)

 発言のほとんどは退陣を迫る意見でした。
 石破氏は閉会間際に、責任の取り方について「議論を踏まえ適切に判断する」と語ったのですが、森山裕幹事長は、8月中を見込む参院選の総括後に引責辞任する可能性を示唆しました。

 石破首相の責任を追及する手続き、「石破おろし」が加速しています。
 今、懇談会(非公式の場)ではなく、正式な議決機関の両院議員総会の開催を求める署名(党所属国会議員の3分の1以上で要求可能)が進んでいます。

 さらに、総裁選前倒しを決定する事実上の「リコール」の適用も現実味を帯びています。
 それは、総裁選の前倒しを求めるものとなりますが、適用には党所属国会議員と都道府県連代表の総数の過半数が必要になります。

 この規定に基づいて総裁選が行われた例は過去にありませんが、署名が集まれば首相は進退を最終決断せざるを得なくなるとの見方もあります。

 このままでは自民党は自民党でなくなるでしょう。本来自民党とは、反共であり、自主憲法制定を目指す党なのです。



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