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ほぼ5分で読める統一運動 61
母によって息子たちが統一の道を開く

稲森 一郎

 母親が子女を教育する時代に入ったというその代表的な出来事は、199310月に、全国40大学巡回講演を韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が韓国で挙行されたことに現れました。

 1980年代から1990年代にかけて、韓国の全国大学連合原理研究会のメンバーたち(二世子女)は、大学内で運動圏としばしば衝突を繰り返し、対立葛藤する関係にありました。

 「運動圏」という言葉は、韓国において、1990年代に年齢が30代、1980年代に大学生活を送り、1960年代に生まれた世代をいいますが、この「386世代」が、実際に政治社会で大きな意味を持つようになったのは2002年の大統領選挙であり、当選した盧武鉉(ノ・ムヒョン)はこの世代の人々からの支持が多かったといわれています。

 386世代で運動圏に参加した学生たちは、社会主義を主張するなど左翼的傾向があり、反米指向、反日指向、親北朝鮮指向といった大方の特徴を持っていました。
 このような大学状況の中に、韓鶴子総裁は講演会の開催を企画して学内に入っていかれました。199310月4日から1029日にかけてのことです。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)師は、「お母様を中心として、大学原理研究会はアベルであり、大学の運動圏はカインです。カインとアベルの闘いを、お母様が収拾しなければなりません。韓国の右翼と左翼が一つになってアベルの立場に立ち、カイン側の北朝鮮の学生たちと統一を実現すれば、終わるのです」(『真の父母経』、873ページ)と述べています。

 韓鶴子総裁は母の立場で、カインとアベルを一つにするために40大学巡回講演を実施して大きな問題意識を学生たちに投げかけ、勝利的に講演を終えられました。

 世界平和青年連合(YFWP)の創設は、1994726日のことです。世界163カ国の代表2000人が参加する中、アメリカのワシントンD.C.で創設されました。
 創設者ならびに議長である韓鶴子総裁がスピーチを行いました。

 共同議長としてリチャード・ルーベンスティン博士が、また世界会長として朱東文(チュ・ドンムン)ワシントン・タイムズ社長が選任されました。
 1995年222日には韓国で、19951214日には日本で、YFWPが創設されます。

 韓鶴子総裁は、199518日、韓国で次のように述べています。

 「『世界平和青年連合』は、近年になってさらに忘れ去られた価値観と混乱した倫理と道徳のために、セミナー、修練会、青年教育などを通して、真の価値観確立のための運動を展開しています。この運動を通して、青年たちは真の愛と真の人生の価値を啓蒙し、人間の本然の姿により一層近づき、理想世界の実現のための様々なモデルを形成していけるようにするでしょう」(『平和経』、1008ページ)

 韓総裁の言葉によって、YFWPが青年教育に対して大きな責任を担っていることが明確にされました。
 このことは、青年のための社会教育の活動が重要であること(あらゆる機会を通して平和のビジョンを学ぶ)、そして、倫理道徳の価値について学ぶ青年こそが平和文化の担い手になること、さらには、青年によるさまざまな社会奉仕が必要であることなどを示しています。

 世界平和女性連合(母親)が原理研究会(アベル)と世界平和青年連合(カイン)の息子二人を抱え、韓鶴子総裁を中心として、世界平和を実現していく流れが、1990年代から現在までの統一運動の基底部分にあったことを想起すべきでしょう。

 現在、清平で霊的復興を遂げ、立ち上がっている二世の青年・学生たちの姿は、ホーリーマザー・ハン、韓鶴子総裁の限りない真の愛の勝利圏を表すものであり、二世たちはその愛に応えているのです。