シリーズ・「宗教」を読み解く 45
IAPDグローバル会議の議論

ナビゲーター:石丸 志信

 11月10日にニューヨークで開会したIAPD(平和と開発のための宗教者協議会)グローバル会議は、11日午前からセッションが始まった。

 午前の第一セッションでは、あらゆる宗教が支持できる普遍的価値観の探求がなされた。UPF(天宙平和連合)インターナショナルのトーマス・マクデビット会長は、「自らの人生を神に向け、『他の人のために生きる』ことにささげる原則」がそれだと提言した。

▲11月11日に開催されたIAPDグローバル会議第一セッション

 「エルサレム平和と安全保障フォーラム(Jerusalem Peace and Security Forum)」のエリエゼル・グラーバッハ-ガル議長は「なぜ、いくつかの平和協定は失敗するのか」と問いかけ、「価値はどんな肉体よりも強い。平和を保つためには、文化的障壁を取り除く必要がある。それは共通の利益に基づいてのみ起こり得る」と指摘した。また、十数年にわたり2万人以上が参加したエルサレムでの宗教者会議を後援しているUPF創設者に称賛の言葉を送った。

 エリエゼル博士は続けてこうも語った。「中世の偉大なラビ・マイモニデスが『メシヤはどのようなかたか』と尋ねられた。 彼は答えた。『国民を結束させる人』だと。そのかたこそ救世主であり、すでに、UPFの創設者について言及しているのではないか」と。