スマホで立ち読み Vol.37
『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』17

阿部美樹・著

(光言社・刊『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』〈2014115日初版発行より)

 スマホで立ち読み第37弾、『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』を毎週日曜日(予定)にお届けします。

 本書は、愛天愛人愛国が生活の中で実践できるようにまとめられた一冊です

 今回は、前回の続きからお届けします。

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第8章 笑顔と挨拶(後)

 次に大切なのは、周りの人が笑顔や笑いが持てるように導くことです。人を喜ばせること、笑わせること、楽しませることなど、笑顔の表情へと導くことは幸せを創造する能力であり、相手を愛する能力でもあります。

 笑顔とともに大切なのは「挨拶」です。仕事でも、日常生活でも、人と人との出会いで最初に交わされるものが挨拶です。挨拶をきっかけとして人間関係がつくられ、挨拶を通して関係が深くなるものです。人との縁や出会いが人生を左右することを思うと、挨拶というささいな行為ですが、人生を大きく変える力を持っているということです。

 自分から挨拶をしようとする人は、人との出会いを大切にし、相手との人間関係を良好なものにしようと心掛けている人です。相手の存在をきちんと認め、敬意を払って対応している人ですから、「人を大切にしている人」と言えます。

 剣道、柔道、相撲といった武道の世界では、勝ち負けだけにこだわるのではなく、武道を通して人間としての修養をなし、品格を高めるという目的があります。そのために強調されるのが挨拶です。「礼に始まり、礼に終わる」。華道や茶道においても同じように挨拶の大切さが語られています。

 このような世界で、礼が大切にされるのは、相手に敬意を払うということはもちろんですが、儀礼を大切にすることで、自らの気持ちを謙虚に正しく修めるという側面もあります。気持ちを引き締めることは、自分に刺激を与え、自分を高めることにもつながります。このように、挨拶は相手にも自分自身にも良い効果を与えてくれます。

 愛天生活の基本が神様に挨拶することであり、神様に礼拝を捧げることであるとするならば、愛人生活においても隣り人に対して挨拶することが大切であり、隣り人に対して礼を尽くすことが大切なことなのです。神様のおかげで生活していられるように、隣り人のおかげで生活していられるのです。そのような意識を持ち、感謝の思いを表すために、挨拶することが大切な習慣となります。

 挨拶それ自体は、非常に小さな行為です。しかし、個人においても、家庭においても、社会生活においても、大きく好転させる力を持っています。挨拶を徹底する人は人間性の高い人格となり、家庭で挨拶を徹底するならば家族愛が育まれ、仕事での挨拶を徹底するならば人間関係が円滑となり、商売繁盛の種蒔(ま)きにもなるものです。このような小さな努力が大きな成果をもたらします。人生のてこの役割を果たし、ゆっくりとですが確実に成果が表れていくものです。

 「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「おやすみなさい」という基本的な挨拶。「ありがとう」「おかげさまです」「いつもお世話になっています」などの感謝の言葉。「ご苦労さま」「お疲れさま」「頑張ってください」という慰労と励ましの言葉。「ごめんなさい」「ご迷惑をおかけしました」「すみません」という謝罪の言葉。「よろしくお願いします」「失礼します」「気をつけてください」「お先に失礼します」という配慮の言葉。「行ってきます」「行ってらっしゃい」「ただいま」「お帰りなさい」という出掛けるときや帰宅したときの挨拶。このような挨拶や言葉を、心を込めて徹底できるか否かが重要なのです。

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 「スマホで立ち読み」での連載は、今回が最終回となります。ご愛読ありがとうございました。続きは、ぜひ書籍でご覧ください。



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