「進化」の真実 7

 『グラフ新天地』2003年4月号に掲載された特集記事(監修・統一思想研究院)を、編集部が再編集してお届けします。

人間を目的に創られていた
「創造の二段構造」

【進化論の見解】
人間は環境の変化に伴い偶然に生まれた?

 進化論では、生命の誕生から人間に至るまでの生物の発展について、突然変異と自然淘汰(とうた)によって生物は進化してきたと主張しています。この考え方によれば、人間に至るまでの経緯において、はっきりとした進化の目的や方向性があったわけではありません。あくまでも環境の変化に伴う自然選択により、常にその時々の環境に適応するために生物が進化し続け、結果的に人間になったと考えられます。言い換えれば、人間は環境の変化に伴う偶然の産物といえるものになってしまうのです。

【新創造論の見解】
神の構想では最初に人間を考え実際は最後に創られた

 新創造論では、神がはっきりとした創造目的を持ち、段階的、計画的に人間と万物世界を創ったと考えます。前項で指摘したように、神は実際の創造に先立ち、まず心の中で、最も愛する対象としての人間をイメージ(表象)しました。これは聖書にも「神は自分のかたちに人を創造された」(創世記127節)とあるように、人間を神の似姿として最初に考えたのです。

 そして次に、その人間をモデルにして、イメージを少しずつ変えながら、より人間に近い高級な動物から低級な生物に至るまで万物のイメージを考えました。そして同様にして高等な植物から下等の植物のイメージを考え、さらに、これらの生物が生存するための地球、地球を支えるための宇宙を考えました。そして天体をつくる鉱物を考え、天体、植物、動物、人間を創るための素材として、分子、原子、素粒子を考えました。

 このように、神はまず心の中で、人間から素粒子に至るまでのすべての構想(ロゴス)を創ってから、次にその構想に従って、実際の現象世界の創造を計画的に行ったと見るのです。現象世界の創造は、イメージの形成とは逆の方向から行われたのです。すなわちビックバンと呼ばれるエネルギーの大爆発から始まり、素粒子原子分子鉱物天体地球植物動物、そして最後に人間を創ったのです。これを「創造の二段構造」と言います。

構想の順とは逆の方向で実際の創造がなされた

 神は心の中で、まず人間をイメージした。そして次に人間から動物(高級な動物から低級な動物)植物(高級な植物から低級な植物)天体鉱物→分子→原子→素粒子という順序で被造物の構想を考えた。ところが実際の現象世界の創造は、構想とは逆の方向から行われた。すなわちビックバンと呼ばれるエネルギーの大爆発から始まり、素粒子→原子→分子→鉱物→天体→地球→植物→動物、そして最後に人間が創られた。

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 次回は、「アダムのあばら骨とは人間の『設計図』のこと」をお届けします。