スマホで立ち読み Vol.37
『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』15

阿部美樹・著

(光言社・刊『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』〈2014115日初版発行より)

 スマホで立ち読み第37弾、『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』を毎週日曜日(予定)にお届けします。

 本書は、愛天愛人愛国が生活の中で実践できるようにまとめられた一冊です

 今回は、前回の続きからお届けします。

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第7章 個人主義から関係主義へ(後)

 このように、人間は単独で存在し生きているようですが、相手を求めて関わりながら生きています。全ては「相対的関係」の中で存在するということです。しかし、現実は「一人のほうが楽だ」「一人のほうが自由だ」といった「個人主義」が蔓延(まんえん)しています。個人主義は「私」「個人」が全ての判断基準となります。私の幸せ、私の喜びを追求する人生となり、気づいてみると「自己中心的な人生」になりがちです。個人主義は本来の姿を失った考え方です。

 本来は、「一緒に存在している」「二人は一つ」という意識が重要です。二人が一つになることによる喜び、生きがいを感じて生活するようになっていました。それが関係を結びながら存在するので、「関係主義」と言うことができます。また、人間関係の原点は「家庭」ですから、「家庭主義」とも言うことができます。この関係主義、家庭主義は、「私」ではなく「私たち」という意識であり、個人ではなく関係性から全てを判断するようになります。正に「関係という愛中心の人生」となります。

 親子関係は、親がいてこそ子供は成長できますし、親も子供がいてこそ成長できます。夫婦も同じように、夫がいてこそ妻が成長できますし、妻がいてこそ夫も成長できるようになっています。人間は相手がいてこそ成長し、相手も私がいてこそ成長できるのです。正に、相手の「おかげさま」で完成できるように創られているのです。このような考え方から初めて、「ために生きる」という生き方が出てくるのです。個人主義は合理的な考え方のようですが、大変孤独な考え方です。一方、関係主義は愛を育む考え方となっています。

 では、このような関係主義はどこから来るのでしょうか? それは、全ての第一原因であり、根源者であり、無形の父母である神様から来るものです。神様自体が心と体のような「本性相と本形状の二性性相の中和的主体」であり、男と女のような「本陽性と本陰性の二性性相の中和的主体」です。中和というのは、二つのものが調和、統一して「一つ」になっているということです。二つが一つになる力、二つを一つにする力とは「愛」です。中和する主体とは「愛の主体」であるということです。ですから、そのような神様が創造された被造世界は神様と同じなのです。二つに分かれているようですが、一つになっているのです。関係性を持って存在し、愛の秩序に基づいてできています。

 では、愛に関する文鮮明(ムン・ソンミョン)先生のみ言(ことば)を紹介します。

 すべてのものを包容して許す愛は、誰から始まると思いますか。愛は人間から出発するのではありません。愛は主体であられる神様から始まります。神様は愛で人間を創造されました。そうして人間から愛を迎えることを願われます。その愛をまた人間に返すことによって愛を完成するようになります。(八大教材・教本『天聖経』「真の愛」324ページ)

 人間は何のために生きるのでしょうか。「愛のために生きる」とすれば、どれほど素晴らしい答えでしょうか。人間は愛の実として生まれ、愛しながら生きて、永遠の愛である神様の懐に帰るようになっているのが創造本然の人生です。(同323ページ)

 愛の出発点は神様です。真の愛とは、その出発点である神様に根ざした愛です。真の人間の在り方というのも、愛の神様に似た者になることです。

 神様が関係性を結びながら、「愛したい!」という衝動である心情のお方であるので、私たちも同じように関係性を大切にして「愛する」という心情を中心とした生活をしなければなりません。隣り人を愛する「愛人生活」です。

 「自分のために生きる人生」にとどまることなく、「自分以外の人のために生きる人生」が大切です。「自分を喜ばせる幸せ」は、幸せの全てのように見えますが、私たちの心を本当に満たしてくれる生き方ではありません。「自分以外の人を喜ばせる幸せ」を感じたときは、それ以上の生きがい、やりがいという大きな喜びを体験するようになるでしょう。

 親を喜ばせ、兄弟を喜ばせ、友達を喜ばせ、夫、妻を喜ばせ、子供を喜ばせ、隣り人を喜ばせる人生は本心から大きな幸せを感じるものです。目の前の人を笑顔にするため、幸せにするために投入してみましょう。他のために生きるとは、簡単なことではなく、困難や犠牲、苦労が伴うものですが、それ以上に大きな喜びが心を満たしてくれるものです。なぜならば、その生き方は神様と同じ姿であり、天理、天道にかなった生き方だからです。

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 次回は、「笑顔と挨拶(前)」をお届けします。



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