2025.07.03 22:00
「進化」の真実 5
『グラフ新天地』2003年4月号に掲載された特集記事(監修・統一思想研究院)を、編集部が再編集してお届けします。
美しいクジャクは人間が見て喜ぶため
創造には「二重目的」があった
【進化論の見解】
繁殖力の強い雑草と昆虫の世界に?
自然選択説によれば、生物は生存に適したものが生き残ることになります。そうなると自然界では、生命力、繁殖力において極めて強い雑草や昆虫などが生き残り、大繁栄することが予想されます。しかし実際は、美しい花が咲き、甘い果実が実り、小鳥がさえずり、強弱さまざまな生物が巧みに共存しています。
見事な羽を持つクジャクについて見ると、進化論者は「クジャクのオスが美しいのは、メスの求愛行動のためにある」と言うでしょう。また果物を見ると、リンゴやミカンは甘酸っぱい果肉をたくさん実らせます。スイカにしても、暑い夏に大量の水分を蓄えます。これについて進化論者は、「動物や人間に食べられることで、その種が遠方にまで運ばれるので繁殖に適している」と言うでしょう。
クジャクにしてもスイカにしても、それ自体の生存や繁殖という点では、確かにそういう一面もあります。しかしクジャクの美しい羽はメスを引き付けると同時に、一方で天敵にも自らの存在を教えることになりかねません。またスイカの場合、繁殖のためならば、わざわざ重たい果肉を付けなくても、軽い種にして風に吹き飛ばされるようにしてもよかったはずです。進化論の観点では、その生物の生存、繁殖のためという個体目的の観点しかないため、納得できる説明とは言えません。
【新創造論の見解】
生存だけでなく人間のために存在
新創造論(統一思想)では、神が人間と万物世界(自然界)を創られたのは、神が愛して喜ばれるためだと考えます。そして、神の最大の喜びの対象が人間であり、その人間が喜ぶために自然界を創られたと見ます。
したがって人間も自然界も、それ自体が生存、繁殖するという個体目的があるとともに、神の喜びのためにという全体目的があります。特に自然界には、人間の喜びのために存在するという全体目的があります。この個体目的と全体目的を合わせて「二重目的」と言います。
例えばクジャクのオスの美しい羽は、メスを引き付けるという個体目的に加えて、より本質的には、美しい羽を見せて人間を喜ばすという全体目的があるのです。またスイカにしても、夏場の暑い時期に、人間に喜んで食べてもらうという全体目的があるのです。
自然界の美しい花々、おいしい果物、小鳥のかわいらしい鳴き声、色とりどりのチョウの羽など、その生物自体の生存や繁殖に適しているという一面(個体目的)とともに、人間の喜びのためにある(全体目的)と考え、このような二重目的を持って神が創られたと見るのです。
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次回は、「人間を神に、自然万物を人間に似せて創った」をお届けします。