「進化」の真実 5

 『グラフ新天地』2003年4月号に掲載された特集記事(監修・統一思想研究院)を、編集部が再編集してお届けします。

美しいクジャクは人間が見て喜ぶため
創造には「二重目的」があった

▲花の美しさは、受粉を促すために昆虫を引き付けるという個体目的に加えて、人間が見て楽しむという全体目的がある

【進化論の見解】
繁殖力の強い雑草と昆虫の世界に?

 自然選択説によれば、生物は生存に適したものが生き残ることになります。そうなると自然界では、生命力、繁殖力において極めて強い雑草や昆虫などが生き残り、大繁栄することが予想されます。しかし実際は、美しい花が咲き、甘い果実が実り、小鳥がさえずり、強弱さまざまな生物が巧みに共存しています。

 見事な羽を持つクジャクについて見ると、進化論者は「クジャクのオスが美しいのは、メスの求愛行動のためにある」と言うでしょう。また果物を見ると、リンゴやミカンは甘酸っぱい果肉をたくさん実らせます。スイカにしても、暑い夏に大量の水分を蓄えます。これについて進化論者は、「動物や人間に食べられることで、その種が遠方にまで運ばれるので繁殖に適している」と言うでしょう。

 クジャクにしてもスイカにしても、それ自体の生存や繁殖という点では、確かにそういう一面もあります。しかしクジャクの美しい羽はメスを引き付けると同時に、一方で天敵にも自らの存在を教えることになりかねません。またスイカの場合、繁殖のためならば、わざわざ重たい果肉を付けなくても、軽い種にして風に吹き飛ばされるようにしてもよかったはずです。進化論の観点では、その生物の生存、繁殖のためという個体目的の観点しかないため、納得できる説明とは言えません。

【新創造論の見解】
生存だけでなく人間のために存在

 新創造論(統一思想)では、神が人間と万物世界(自然界)を創られたのは、神が愛して喜ばれるためだと考えます。そして、神の最大の喜びの対象が人間であり、その人間が喜ぶために自然界を創られたと見ます。

 したがって人間も自然界も、それ自体が生存、繁殖するという個体目的があるとともに、神の喜びのためにという全体目的があります。特に自然界には、人間の喜びのために存在するという全体目的があります。この個体目的と全体目的を合わせて「二重目的」と言います。

 例えばクジャクのオスの美しい羽は、メスを引き付けるという個体目的に加えて、より本質的には、美しい羽を見せて人間を喜ばすという全体目的があるのです。またスイカにしても、夏場の暑い時期に、人間に喜んで食べてもらうという全体目的があるのです。


▲スイカに含まれる水分は、スイカ自体の繁殖のため(人間や動物に食べられることで種が遠方に運ばれる)と、人間のための(暑い季節に人間が好んで食べ、水分を補給する)という二重目的が考えられる

 自然界の美しい花々、おいしい果物、小鳥のかわいらしい鳴き声、色とりどりのチョウの羽など、その生物自体の生存や繁殖に適しているという一面(個体目的)とともに、人間の喜びのためにある(全体目的)と考え、このような二重目的を持って神が創られたと見るのです。

▲進化論では、クジャクのオスの羽の美しさはメスの求愛行動のためにあると主張するが、新創造論ではそれに加えて、人間が見て喜ぶためという二重目的があると考える

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 次回は、「人間を神に、自然万物を人間に似せて創った」をお届けします。