世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

日米関係が揺れる! 日本がフェンタニルの結節点に

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、623日から29日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 トランプ大統領、イスラエルとイランが停戦合意とXに投稿(623日)。NATO(北大西洋条約機構)首脳会議、防衛費をGDP(国内総生産)比5%目標に(25日)。合成麻薬フェンタニルが日本経由で米国に、日経が報じる(26日)。中国、日本産水産物の輸入再開発表、福島など10都県は除く(29日)、などです。

 日本経済新聞626日付朝刊一面(ウェブ版では25日付で掲載)に、「フェンタニル、日本経由か」という見出しの衝撃的な記事が掲載されました。

 フェンタニルは、トランプ政権が最も深刻に捉えている「合成麻薬」ですが、中国組織が米国への密輸拠点として日本を利用していたことが明らかになったのです。

 密輸組織の中心人物は、名古屋市に法人を登記し、少なくとも20247月まで日本から危険薬物の集配送や資金管理を指示していた姿が明らかになりました。

 トランプ大統領は就任直後の21日、カナダとメキシコに関税25%を、そして中国には10%を課すと公表しました。

 これは「フェンタニル関税」と呼ばれており、中国が源流であるフェンタニルがカナダ、メキシコの国境を越えて流入し、米国民に深刻な被害を与えていたため、取り締まりの要請を込めたものでした。

 フェンタニルは2mgが致死量といわれます。
 サンフランシスコやフィラデルフィアに中毒者が集まってきており、「ゾンビタウン」などといわれる地域が広がっています。2023年の一年間で、11万人(日に300人以上)が命を落としているのです。

 トランプ政権はこの内容(日本が中継点となっていること)を知っていたと考えるべきです。
 というのは、20236月、DEA(麻薬取締局)が中国籍の男「王慶周」と女「陳依依」をフェンタニル密輸案件で逮捕しており、捜査の過程で浮かんだのが「日本にいるボス」の存在だったという事実があるのです。

 密輸組織の「日本にいるボス」が名古屋に設けたのは「FIRSKY株式会社」という法人でした。
 FIRSKYは、米当局が摘発した中国・武漢の化学品メーカー「湖北精奥生物科技」(Hubei Amarvel Biotech)と人的・資本的なつながりがあり、幹部社員らは米国にフェンタニル原料を違法で流入させたとして、20251月に米東部ニューヨークの連邦裁判所で有罪評決を受けているのです。

 日本経済新聞の担当員が、未公表分も含めて合計100本を超す米裁判資料を調べ、大量の文書の中から会社に出資する「日本のボス」と呼ばれる存在がいることをつかんだのです。

 さらにこの人物の実名と経歴を突き止めています。SNS上では那覇市在住と自己紹介しており、日本や中国、米国で計18社の株主になっています。
 名古屋のFIRSKYもこの中の1社であり、この男性はFIRSKYの代表取締役として登記していたのです。

 この男性の名前は「夏」。名古屋に法人をつくり、少なくとも20247月まで日本から危険薬物の集配送や資金管理を行っていたのです。

 これでは日米関税交渉が難航するのは当然といえるでしょう。
 日本は出直しが必要です。少なくともこれらの問題に真正面から取り組む姿勢を政権として確立すべきです。



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