2025.06.13 22:00
ザ★Q&A【社会編】3
今回は、「社会編」の第3回をお届けします。
回答は「世界はどこに向かうのか」でおなじみの国際平和研究所所長・渡邊芳雄先生に監修していただいています。
Q. どうして同性婚合法化に反対するの?
A. 同性婚を法的に認めれば社会全体の価値観が変わり、ますます個人主義に拍車がかかり、家庭の価値が失われ、子供の福祉が損なわれるからです。
日本では同性婚に対して、「同性婚を法的に認めても誰にも迷惑はかからない。認めてあげればいいんじゃないか」という意見があります。一見すると同性愛者に配慮を示す、正しい意見であるように見えます。しかしこれは誤りです。
その具体的な理由を三つ示します。
①婚姻の価値が相対化されます。
同性愛と異性愛を「真剣に愛し合っているという点で同じだ」として法制化するなら、論理的には「2人目の妻」「3人目の妻」も同様になってしまいます。やがて乱婚が正当化され、社会は混乱に陥るでしょう。
②思想・良心の自由が侵害されます。
同性婚を認めることは、単に同性愛者が保障されるということだけにとどまりません。同性愛者以外にも、同性婚を認めるよう強制することになるのです。
ではその人たちの思想・良心の自由(「思想・信条の自由」とも)は損なわれてもよいのでしょうか。「同性愛者を差別してはならない」と言いながら、「永遠の愛を誓い合う一夫一婦の婚姻こそ神聖なものだ」との信念を持つ異性愛者を差別してもいいのでしょうか。これはいわゆる逆差別です。
③社会から「父親・母親」という概念がなくなってしまいます。
米国では、最高裁で同姓婚が認められたのに伴い、公式文書の表記が変わり始めました。例えば教育省では、「父親・母親」という表記が「親1・親2」(Parent1、Parent2)に置き換えられました。
同性婚合法化の効果は同性愛者だけに適用されるのではありません。社会全体、特に行政機関に及びます。しかし子供にとって父親と母親は両者ともにかけがえのない存在です。その概念が消えれば、子供の発達にとって大変な損害となるでしょう。
そもそも個人の自由であるはずの婚姻を法律上の制度として定めた最大の理由は、子供の福祉を守るためです。この点を十分に理解しないといけません。
以上の理由から「同性婚合法化」に反対するのです。
そして「同性婚合法化」への反対は、同性愛者を否定・排除することではありません。また、同性愛者が結婚のような生活を営んではならないと言っているのではありません。思想・良心の自由は保障されるべきであり、その権利は同性愛者でも異性愛者でも同じだからです(関連記事はコチラから)。
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次回は、6月27日の配信を予定しております。