ザ★Q&A【社会編】2

 今回は、「社会編」の第2回をお届けします。
 回答は「世界はどこに向かうのか」でおなじみの国際平和研究所所長・渡邊芳雄先生に監修していただいています。

Q. どうして夫婦別姓に反対するの?

A. 選択的夫婦別姓は、日本の家族制度を壊すことを意味していて、ファミリーネームが日本からなくなってしまう、法律的に言えば戸籍制度が根本から変わってしまうからです。

 選択的夫婦別姓制度にすると日本人の名字は全て個人の名前になります。これが「ファミリーネームがなくなる」という意味です。

 ファミリーネームが消えた場合の最大の被害者は子供です。

 夫婦別姓は親子別姓になることも意味します。親子別姓になったら親子の一体感は薄れないでしょうか? そんなことでは薄れないと言う人もいるでしょう。

 しかし、2015年の夫婦別姓に関する最高裁判決では、「名字は個人の名称であると同時に、家族の名称でもある」「親子が同じ名字であることには子供の福祉のために意味がある」と言いました。これが最高裁の判断です。

 また、親子別姓は兄弟別姓になることも意味します。

 夫婦では自分たちがお互いに納得して別姓を名乗るのでしょうが、子供も親と違う名字になる、あるいは兄弟とも違う名字になるということです。

 子供にとっては自分で選んだ名字ではありません。家族みんなの名字がバラバラになって、それで家族の絆には全く問題がないと言えるのでしょうか。

 LGBT問題でも同様ですが、家族制度を変えようとする人たちは、子供の福祉という問題には全く触れません。触れたとしても、子供は親の都合を理解してくれるはずだと決めつけてしまいます。

 親が事情を話せば子供は受け入れるしかありません。離婚をするときもそうです。しかし子供が受け入れたからといって、本当にその子が親の事情を全て理解しているとは限りません。

 以上のように、選択的夫婦別姓は日本の家族制度を壊すことを意味しており、それが子供の福祉にとっての重大な懸念であるとの指摘があります。

 そのような重大な問題を「自分らしさ」のためといって、子供のことまで考えずに一方的に主張する。それが選択的夫婦別姓問題です。ですので、夫婦別姓に反対するのです。

---

 次回は、5月30日の配信を予定しております。