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~情報分析者の視点~

韓国大統領選挙、李在明氏に赤信号~保守一本化が鍵

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、428日から54日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 イーロン・マスク氏、米閣議で別れを示唆するあいさつ(430日)。米国とウクライナが鉱物資源を巡る協定に署名(30日)。拉致被害者家族、米政権高官らと面会(30日)。韓国最高裁、最大野党前代表の無罪判決を破棄、高裁に審理差し戻し(51日)。トランプ米大統領、ウォルツ氏を次期国連大使に指名(1日)。米国が関税交渉に向け接触、中国が明かす(2日)。韓悳洙(ハン・ドクス)前首相が大統領選出馬を表明(2日)。「日本が先に領空侵入」と、中国が抗議か(4日)、などです。

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国前大統領の罷免判決が下り、韓国大統領選挙の投開票日が63日となりました。
 世論調査の結果を踏まえれば、「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)氏の当選は確実視されていました。

 ところが韓国最高裁が突然、51日午後、李在明氏の公職選挙法違反事件裁判の控訴審判決を破棄差し戻し(有罪趣旨)するとの判断を言い渡したのです。
 李在明氏は326日、控訴審判決で無罪になっていたのですが、検察が上告していたのです。

 同日夕方、韓悳洙首相(75)は辞任を表明しました。
 韓氏は、憲法裁判所の決定で罷免された尹前大統領の職務を代行する立場にありました。

 韓氏は国民に向け、「極端な政治を捨てて、協力する政治の土台を築かなければ、誰が政権を握っても分裂と葛藤が繰り返されるだけだ」「われわれが直面している危機を克服するために私ができること、やらなければならないことをしようと、職を辞することを決めた」と述べています。
 この時点で大統領選出馬の意向があるのでないかとの見方が広がっていました。

 そして2日、韓悳洙氏は国会内で記者会見し、63日投開票の大統領選への立候補を表明したのです。
 「政治が変わらなければ、経済も外交も改革もできない」と強調し、「首相でできなかったことを大統領の力でやり遂げる。多くの大統領と仕事し、そのようなことを感じた。言葉ではなく私の人生を見てほしい」と語ったのです。

 韓氏は、大統領になったら憲法を改正すると述べています。
 就任3年目に総選挙と大統領選を行って自らは辞任することも表明しました。

 現状は、大統領選挙と総選挙は別々に行われ、政局を混乱させる要因となっています。
 また現憲法下では、現在のような弾劾政局で混乱する可能性があり、より建設的な議論を行うことのできる仕組みが必要となっています。

 韓国最高裁の判決は、韓国左派に衝撃を与えています。「共に民主党」に対する逆風となるのではとの予測も出てきています。
 今後、高裁で決める量刑の内容(罰金100万ウォン以上の有罪判決)によっては李在明氏の被選挙権が停止になり、出馬できなくなります。

 大統領選よりも前に量刑判決が確定する可能性は低いともいわれていますが、「犯罪者」であることの確定は、深刻な「司法リスク」となり、中道・無党派層離れを呼ぶ大きな打撃になりそうなのです。
 李在明氏は、今回の事件を含めて5件の刑事裁判を抱えています。

 今後の焦点の一つは、保守系候補者の一本化が可能かどうかです。
 中道・無党派層には「アンチ李在明」が少なくないのです。保守陣営が統一候補を立てることができれば勝機もあるでしょう。



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