スマホで立ち読み Vol.37
『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』5

阿部美樹・著

(光言社・刊『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』〈2014115日初版発行より)

 スマホで立ち読み第37弾、『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』を毎週日曜日(予定)にお届けします。

 本書は、愛天愛人愛国が生活の中で実践できるようにまとめられた一冊です

 今回は、前回の続きからお届けします。

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第2章 神様に挨拶し、報告をする(後)

 挨拶とともに、一日の出発に際し「きょうはこのようなことをします」と計画や目標、願いを神様に報告することが大切です。自分なりの計画や目標の場合、事情や環境の変化によって計画や目標がないがしろにされてしまう可能性があります。

 しかし、神様に報告した瞬間に、自分だけの計画や目標ではなく、神様も意識して関与してくださるものとなります。報告した瞬間から私たちの心に変化が生じます。正しい判断力が与えられ、善悪に対する感性が鋭くなり、創造性や持続力も高まることでしょう。不思議なことに、人間は神様を意識すると正しい心が引き出され、力がみなぎってくるものです。不安な気持ちが安らぎになり、不信の思いが信頼する思いになり、諦めの心が希望の心へ、不満や憤りが感謝の気持ちに変わったりするものです。これは、幸福の源泉、愛の根本、そして生命の源が神様である証拠ではないでしょうか。

 歴史に名を残した偉人や義人、聖人たちは、神様を敬い愛する生活をした人が多くいます。祈りの生活、瞑想(めいそう)の生活、合掌の生活など、神様を求める生活を徹底し、習慣化していました。

 例えば、偉大な経営者として知られる松下幸之助氏も、瞑想や祈り、報告の生活を大切にしていました。松下氏は京都にある真々庵という別邸へ週に何回か通っていました。そこは、来客を迎えたり、若い所員と研究を行ったりする場所でした。そこに行くと、まず自ら造った「根源の社」の前に立ち、静かに手を合わせたといいます。松下氏は万物を存在せしめ、生成発展の源泉となる存在を、「根源」と表現しました。それは、言い換えれば「神様」のことと言えます。そこで、30分近く瞑想をしたそうです。

 何を祈っているのかと尋ねられて、「一つは、根源に対する感謝や。自分が今ここに存在するのも、この根源の力のおかげやからな。もう一つは自分が何にもとらわれない素直な心で物事を考え、判断できるかどうかをここで反省しているのや」と答えたそうです。

 このように、「感謝」と「素直な心」をテーマに瞑想しているというのです。そこでひらめいたアイデアや判断、気づきを大切にします。経営の最高責任者として、判断の一つ一つが会社の運命を左右します。特に、危機的な状況のときは深刻です。そのような時、瞑想の中で得た判断や決断は、必ず成就するという確信があるといいます。正に、根源という神様につながることで、正しい判断と確固たる決断と行動につながるということでしょう。

 夫と妻が共に、その日の仕事を神様の前に報告して、行って仕事を始め、終えて帰ったときも、神様の前に報告をしてから御飯を食べるようになっています。そのようなことをすべて規範化させる、神様を標準とした生活が、どんなに厳格であるかを知らなければなりません。(『愛天愛人愛国-真の愛の生活信条』46ページ)

 どこに行っても、日常生活が神様と共になされなければなりません。皆さんは、神様の前に対象的存在であり、主体ではありません。夫に侍る妻のような心情をもたなければならず、父母に侍る子女のような心情をもたなければなりません。何かをするときは、「どこどこに行って、これをしてきます」と父母に報告するのと同じように、直接神様に侍って生きていく生活を離れては、信仰生活になり得ません。(同44ページ)

 このように、神様を中心とした生活、神様を愛する生活の基本は「神様に挨拶する生活」であり、「神様に報告する生活」です。何かの宗教儀式をするときだけに臨在される神様ではなく、日常生活を共にする神様であり、私たちの喜怒哀楽と共にある神様です。

 神様に侍って生活することが大切です。「神様と共に暮らす」「神様と同居する」という心の姿勢が重要です。

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 次回は、「祈りと瞑想(前)」をお届けします。



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