2025.04.25 17:00
心情開拓
心霊を育てる生活原則(205)
原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。
李耀翰・著
23 心にろうそくをともそう
祈祷生活の重要性
心の願いどおりに生きるためには、世間のことをたくさん知っていても得になりません。多く知っていると、かえって自分のことが分からなくなってしまいます。知らないほうが、自分をよく知ることができる場合があるのです。それは、自分の中に神秘的な自己があるからです。神秘的な自己、すなわち霊人体を知ることが本当の自分を正しく知ることなのです。環境に支配される人は、自分が分からなくなります。私たちは、自分の責任分担を果たすことを通して、情が豊かになっていくのです。
神秘的な自分を正しく知るためには、祈祷生活が必要です。静かに座って、自分の心を聞くのです。静寂の中で心と対話するために、黙祷するのです。祈祷を通して、本心の声を聞くことがとても大切なのです。
それでは、どのようにして黙想にふけることができるのでしょうか。読書しながら、「原理」を勉強しながら、聖書を読みながらなど、時間の流れを忘れた時に、黙想にふけることができます。み言と自分が相対関係を結んでこそ、本然の自分の位置を探していくことができるのです。無我の境地で、霊人体が喜ぶ時間をもたなければなりません。讃美歌を歌う時や、説教を聞く時の心を基準にして、自分のなすことすべてに、全力を尽くしていくのです。
祈祷の姿勢は、まず心にろうそくをともすことです。心にろうそくをともして、観念的ではなく自発的に自己の責任を果たすならば、その人は発展するでしょう。心にろうそくをともす人は、能力のある人として成長しているのです。自分の責任分担が果たされなければ、信仰者としての姿勢は変わりません。教会に通っていながら、どうして心霊が復活しないのでしょうか。それは縦的にみ言と相対関係を結んで心にろうそくをともした時の心情を、常に保つことができないからです。原因は、正にここにあります。
ろうそくの火が風に吹き消されることはありますが、私たちはみ言によって感動を受けたのですから、全力を尽くして真剣に生きていかなければならないのです。人に付いていくのではなく、常に心にろうそくをともして、一生懸命に生きていかなければなりません。
「ささいなことにも忠誠を尽くすように」という言葉があります。これは「心にろうそくをともして生きる」と同じ内容の言葉です。「心にろうそくをともしなさい」とは、何かを行う時に時間の流れすらも忘れた、そのような姿勢を自分の日常生活に適用していくことです。そのために祈祷生活がとても大切なのです。そして、これが自分の生活となっていかなければならないのです。
(月刊『ファミリー』1991年8月号掲載)
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次回は、「真を求めよ」をお届けします。