スマホで立ち読み Vol.38
『“人さらい”からの脱出』2

小出浩久・著

(光言社・刊『“人さらい”からの脱出 違法監禁に二年間耐え抜いた医師の証言』〈2023年11月20日改訂版第2刷発行〉より)

 スマホで立ち読み第38弾、『“人さらい”からの脱出』を毎週水曜日(予定)にお届けします。
 2年間にわたる拉致監禁後、「反統一教会グループ」の一員として活動した経験のある筆者。そんな筆者が明らかにする、「脱会説得」の恐ろしい真実とは。

 今回は、前回の続きからお届けします。

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はじめに(後)

 その後、私は、月刊『Hanada』の取材を受けた。自分が受けた座敷牢(ろう)の体験を話すことができた。「村八分」をおかしいと考える方々がいてくださったと思った。さらに取材を受ける中、さまざまな家庭連合の信仰生活を振り返ることもできた。自分にとって社会的な権利以上に、宗教的信条、内心の自由が保護されたことが重要であった。実の父は、私の身体を拘束し殴りながらもそこは尊重してくれていた。「より社会にも認められるようになって欲しい」そういう「親心」を持っていてくれたようだ。一方で常識が認めていなくても、「信じたものはやり通せ」という思いも持っていることは、父との会話からよくわかった。父は、天理教という、一度は社会的に迫害を受けた宗教を信仰していた。

 今の仕事や社会の中では私自身は医師という立場なので宗教団体の形や教理を守ることより、出会わせていただく患者様一人一人の心を保護することをしなければならないと思う。弱いものいじめにあっても、村八分にされても、どんな抑圧の影響下にあっても、癌(がん)のような重大な病気にかかっても、「大丈夫だよ。あなたの心の持ち方は自由だよ」という思いで接していかないといけない。心の自由があって初めて神仏との出会いという貴重な体験をすることができる。それこそが生きる力、免疫力にもつながってくるものだと思う。いろいろな宗教的儀式や個人的な生活の中で、そんな神仏を感じる体験をされた方に、その体験は地位や名誉やお金よりも重要なものであること、どんな権威者によっても奪うことのできない「心の財産」であることを伝えたい。

 神仏との出会い、などと言うと、一般の方々には遠いもののように感じるかもしれない。神仏が人類一人一人に抱いている時空を超越した大きな「親心」と出合うということだと思う。幼いころから、実の両親や小学校の先生、先輩などから愛され「親心」を感じた土台があって、神仏との深い出会いができるのではないかと思う。

 私が出会った頃の有田氏、紀藤氏、山口氏、TBS報道特集ディレクター、そして宮村氏、松永牧師は、神仏の親心との出合いの重要性をまったく理解していなかった。そのうちの一人である紀藤氏、統一教会潰しの先頭に立つ人物が、政府の霊感商法等対策検討会に入って委員として中心的に発言している。神仏の「親心」と出合うこと自体が妄想、錯覚のように否定され、被害などと決めつけられてしまっている。日本の中で政府、マスコミによって国民一人一人の神仏の「親心」と出合う機会が破壊されている。これは、家庭連合の信者のみならず、全宗教者、さらには全国民が被ってしまっているものである。

 河野太郎消費者担当大臣によって政府委員に選ばれた紀藤正樹弁護士が正当化してきた“反統一教会グループ”が、現実としてどんなことをしてしまったかを私の体験を通してまず知ってほしい。さらに多くの旧統一教会員が同じような環境に追い立てられたことを知ってほしい。私と同じような境遇の中で、自分の心で感じた事を愛する親兄弟から「妄想」のように扱われ踏みにじられてしまった人達は、今、どうなっているのだろう? 神仏から注がれてくる「親心」を感じる力は、どんな幼い人にも、能力のない人にも、過去どんな犯罪を犯した人にも、誰にでもあることを伝えたい。歴史を通じて、先祖や家族を通じて人類を愛してきた神様は、今もあなたをこよなく愛していることを伝えたい。

2023725
小出浩久

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 次回は、「統一教会への入信①」をお届けします。



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