スマホで立ち読み Vol.38
『“人さらい”からの脱出』1

小出浩久・著

(光言社・刊『“人さらい”からの脱出 違法監禁に二年間耐え抜いた医師の証言』〈2023年11月20日改訂版第2刷発行〉より)

 スマホで立ち読み第38弾、『“人さらい”からの脱出』を毎週水曜日(予定)にお届けします。
 2年間にわたる拉致監禁後、「反統一教会グループ」の一員として活動した経験のある筆者。そんな筆者が明らかにする、「脱会説得」の恐ろしい真実とは。

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はじめに(前)

 20237月、私は世界平和統一家庭連合(いわゆる旧統一教会)の信仰を持ち、都内の総合病院で内科医として働き、春と秋には、カンボジアへの医療奉仕活動を行っている。

 約30年前、桜田淳子さんの国際合同結婚式への参加や、“霊感商法”などでワイドショーを賑(にぎ)わせた統一教会が、昨年7月以降再びマスコミで取り上げられた。いや取り上げられたというより「旧統一教会」という団体に対して、「弱いものいじめ」「村八分」という言葉が思い浮かぶような偏向報道がされた。すなわち、旧統一教会に所属していたら犯罪者か精神に異常をきたした人と思われるように報道した。

 30年前当時、私は病院で懸命に働いていたのに、犯罪者のような扱いを受けた。

 1992613日、テレビに正義の味方のように出てくる有田芳生氏、紀藤正樹弁護士、山口広弁護士によって正当化された反統一教会の人々によって、「座敷牢(ろう)」のようにしつらえられたマンションの一室に閉じ込められた。そこで、実の父親から「おまえには弁護士を自分で決めるような人権はない」と言われた。それはおかしいと反発すると、今も紀藤や山口両弁護士と同じ全国霊感商法対策弁護士連絡会に所属する平田広志弁護士は、その部屋まで入ってきて「親族によってつくられているなら、この環境は違法ではない」と宣言して出ていった。弁護士の一言は恐ろしいほど力を持ち、私の親兄弟から、人間を閉じ込めることに対しての恐れを消し去ってしまった。その後、約2年間有田芳生氏と懇意にしている宮村峻(たかし)氏、松永堡智(やすとも)牧師の指導の下、親兄弟によって、内心の自由も身体的自由も制限された環境で生活させられた。連日、聞くことを希望していない(2022年の下半期にテレビで流れているような)家庭連合に対する悪口、そして、悪い噂(うわさ)のようなものを、キリスト教牧師、元信者(全員、マンションの一室で棄教させられた方々)、から聞かされた。15カ月間は、外に出ることは一切許されなかった。夜間に部屋から部屋への移動をするときも、10名ほどの人の監視のもとでの移動であった。

 2022年はテレビのワイドショー上で有田、紀藤、山口ら各氏が発する言葉が、一般の方々そして国会議員さらには首相を「弱いものいじめ」に駆り立ててしまったようだ。そんな中で岸田自民党総裁は831日に「旧統一教会と関係を断つこと」を宣言した。国民としての義務を果たし日本を心から愛している多くの家庭連合の教会員がどれほど怒り失望してしまうか、岸田総裁は考えたのだろうか!

 そして、自民党本部前でのデモのような抗議活動を家庭連合の教会員が行った、というような話はまったく聞こえてこない。まさに、日本の中で家庭連合の教会員は「弱いもの」「村八分にされたもの」で、不当に扱われているのに自由に声をあげる人権すら、放棄させられてしまった状態と思う。家庭連合に所属すると、日本のなかでは、世間の空気とマスコミが、人権抑圧をしてしまうと感じる。

(続く)

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 次回は、「はじめに(後)」をお届けします。



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