2025.04.13 13:00
スマホで立ち読み Vol.36
『こども礼拝』9
林三男・著
スマホで立ち読み第36弾、『こども礼拝』を毎週日曜日(予定)にお届けします。
「光の子園」での礼拝説教をまとめた、幼児から小学生低学年向きの説教集です。小学生礼拝のテキストとしても最適です!
※本文中の呼称・用語は、全て掲載当時の名称です。
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8. ソドムとゴモラ
〈ポイント〉
①神様は悪なるものに対しては、許されない神である。
②ロトをはじめとして正しい者を何とか救い出したいと必死で神様に問答をしたアブラハム。そのアブラハムの信仰ゆえに、ロトと2人の娘が救い出された。
〈聖書:創世記第13章~19章参照〉
アブラハムは正しい者を救い出そうと必死に神様に懇願した
今日は、「ソドムとゴモラ」のお話をしましょう。アブラハムと、甥(おい)のロトは、最初一緒に住んでいました。けれども、2人には、たくさんの召使とラクダや牛、羊などの家畜がたくさん増えてきて、一緒に住むことができなくなりました。そこで、2人は別れて住むことにしました。アブラハムはロトに自分が住みたい所を自由に選ばせました。ロトが目を上げて、ヨルダンの低い土地をずーっと見渡すと、大きな川が流れ、緑が茂り、作物がたくさん取れる豊かな土地であることが分かりました。ロトはこの良い地を選んで移り住みました。アブラハムは、残った山の険しいほうに移り住みました。
ソドム、ゴモラというのは、その低い地にあった町の名前です。ロトが選んだ町は、とても美しく見えましたが、行ってみると、そこはひどい町でした。目を覆うばかりの悪い事がなされていました。物を盗んだり、人を殺したり、悪口を言ったり、お酒を飲んでめちゃくちゃになっている人、変な格好をしている人、それは、もう神様が願われた人間の姿ではありませんでした。神様の心が悲しくなるような悪でいっぱいでした。ソドム、ゴモラの叫び声を聞かれた神様は、悪なる町、ソドム、ゴモラを滅ぼすことを決意されました。「ソドムとゴモラの叫びは大きく、またその罪は非常に重いので、わたしはいま下って、わたしに届いた叫びのとおりに、すべて彼らがおこなっているかどうか見てみよう」というのです。神の御使(みつかい)が、ソドム、ゴモラの町に遣(つか)わされました。
御使たちは、最初、アブラハムの所に寄りました。その時「神様は、ソドムとゴモラを滅ぼす」という話をアブラハムにしました。それを聞いたアブラハムはびっくりしました。アブラハムは神様の言われることであれば、どんなことでも従っていく、従順な心の持ち主でした。しかし、ソドム、ゴモラには、甥のロトが住んでいます。アブラハムは、神様のみ言(ことば)を黙ってそのまま受けるわけにはいきませんでした。
アブラハムは、神様に言いました。「神様は、正しい者を、悪い者と一緒に滅ぼされるのですか。正しい者が50人いたとしても、その正しい者を一緒に滅ぼされるのですか」。神様は答えました。「もし、ソドムの町に50人の正しい人がいたら、その50人の正しい人のゆえに、ソドム、ゴモラの町を滅ぼさない」。アブラハムは必死でした。何とかしてロトや正しい人たちを救ってあげたい。そこで、アブラハムはさらに「45人では」、「40人では」、「30人では」と神様に尋ねていきました。さらに「20人では」、そして最後に「わが主よ、どうかお怒りになられぬよう。わたしは今一度申します。もしそこに10人いたら…」。アブラハムは必死な思いで尋ねたので、神様は答えました。「わたしは、その10人のために滅ぼさないであろう」。
ソドムの町が、どんなひどい町であったとしても、そこには、神様を愛したロトがいる。正しい者がほかにもいるに違いない。その人々がもし助かる道があるならば、何とかして救ってあげたい。アブラハムは命懸けで神様にとりなしをしたのでした。
アブラハムの信仰によってロトは救われた
さて、ソドムの町には正しい人が10人いたでしょうか。2人の御使がソドムの町にやってきました。ちょうどロトがソドムの町の門に座っていました。ロトは2人の御使にすぐ気がついて、地にひれ伏して「どうぞ私の家にお泊まりください」と、家に案内しました。ソドムの町はやはりひどい町でした。荒れ狂った人々がロトの家に集まってきて、いやがらせをするほどでした。ソドム、ゴモラの町には、たった10人の正しい者もいませんでした。御使たちはロトに言いました。「この町を出なさい。神様がこの町を滅ぼされます」。しかし、この言葉を信じたのは、ロトとロトの2人の娘だけでした。ロトの奥さんは、一度は信じてついてきましたが、「後ろを振り返ってはならない」というみ言を破ってしまったのです。神様は、硫黄(いおう)と火とを天からソドムとゴモラの上に降らせて、町とすべての人々を、ことごとく滅ぼされました。ロトの奥さんは、ソドムとゴモラのほうを振り返った途端(とたん)、その場で塩の柱になってしまいました。神様は悪なるものを、すべて焼き尽くしてしまったのです。しかし、神様はアブラハムの必死のとりなしを覚えてくださり、ロトとロトの2人の娘を救い出してくださったのでした。アブラハムの命懸(いのちが)けの信仰ゆえに救われたのです。アブラハムは、変わることなくロトを愛しました。アブラハムの真(まこと)の愛を知って、アブラハムのような愛の人になりましょう。
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次回は、「アブラハムとひとり子イサク」をお届けします。