スマホで立ち読み Vol.37
『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』2

阿部美樹・著

(光言社・刊『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』〈2014115日初版発行より)

 スマホで立ち読み第37弾、『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』を毎週日曜日(予定)にお届けします。

 本書は、愛天愛人愛国が生活の中で実践できるようにまとめられた一冊です

---

1章「愛される」人生から「愛する」人生へ(前)

 人間としての道理、天理、天道に基づく生き方を一言で表現すれば、「愛天愛人愛国の生活」と言うことができます。愛天、愛人、愛国です。この三つのキーワードに共通しているのが「愛」です。愛とは生命の源泉であり、幸福の源泉です。愛は、幸せな人生を生きるために不可欠の要素です。

 「愛」には二つの側面があります。「愛する」という意味での愛と、「愛される」という意味での愛です。人生は、「愛すること」と「愛されること」の繰り返しです。

 人間は、生まれた瞬間から地上の人生を出発します。生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の力だけでは生きられず、親から面倒を見てもらい、助けてもらわなければなりません。正に、親から愛されなければ生きることができないようになっています。このように、人の一生は、親をはじめとする周囲の人々から愛を受けることから始まるのです。

 では、愛されているか、いないかで全ての幸、不幸が決定するものなのでしょうか。実は、人が生きていくうえで、「愛されること」も大切ですが、「愛すること」はもっと大切です。人間らしく生き、人間らしく成長し、そして人間として完成するためには、むしろ「愛すること」のほうが重要なのです。

 子供は、愛されるばかりでなく、親の喜ぶことをしようとします。それが親孝行の心であり、孝の精神です。子は親を愛する心を持って生まれ、それを実践しようとします。

 では、兄弟姉妹の関係はどうでしょうか。小さい頃は兄弟げんかなど争いも多いものですが、徐々に弟妹の面倒を見たり、兄姉を支えたりするなど、兄弟姉妹の関係の中で愛し合いながら成長するようになります。

 夫婦の関係はどうでしょう。夫は妻に愛されることを願い、妻は夫から愛されることを願います。しかし、いつも「愛されたい、愛されたい」と要求するばかりでは、互いに苦しくなってしまわないでしょうか。葛藤や争いが生じる場合もあるでしょう。幸せな夫婦関係を築くためには、やはり「妻を幸せにしてあげたい」「夫を幸せにしてあげたい」という、愛する心で接することが、夫婦愛を育む秘訣(ひけつ)ではないでしょうか。

 また、結婚して子供が生まれれば、夫は父親になり、妻は母親になります。このような父母の立場においても、本物の父母になるためには、子供から愛され、孝行されることを願うのではなく、いかに子供を愛するか、いかに子供のために生きるかが課題となります。

 このように、親子関係、兄弟関係、夫婦関係など、全ての人間関係において、人間として幸福を実現する生き方をしようとすれば、愛されることよりも愛することが大切だ、ということが分かるでしょう。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)先生は愛について説明していらっしゃいます。

 愛は、一人では成されないのです。愛は、どこから出てくるのですか。「私」から出てくるのではなく、相対から来るのです。相対から出てくるので、「私」が頭を低くして相対のために尽くさなければならないのです。「ために生きる」という天理がここから生まれるのです。極めて高貴なものが「私」のところに訪れるのですが、それを受け入れようとすれば、それを貴く思い敬わなければならないという「ために生きる哲学」を実践しなければならないのです。(八大教材・教本『天国を開く門 真の家庭』100ページ)

 愛は、自分自身から始まるのではなく、相対から始まるのです。ですから、愛の主人は誰でしょうか。相対が愛の主人となるのです。(同101ページ)

(続く)

---

 次回は、「『愛される』人生から『愛する』人生へ(後)」をお届けします。



「一気に読んでしまいたい!」というあなたへ

『きょうからできる愛天愛人愛国の生活』を書籍でご覧になりたいかたは、コチラから